東八尾駅

東八尾駅：山あいの小さな駅舎が語る歴史と人々の思い

富山県富山市八尾町城生にあるJR西日本高山本線の東八尾駅は、その歴史に地元住民の強い思いが刻まれた、小さな無人駅です。周囲は山々に囲まれた静かな環境にあり、秘境駅のような雰囲気も漂います。

駅の誕生：不便から生まれた強い願い

かつて、駅周辺の杉原地区住民にとって、最寄りの駅である越中八尾駅までは徒歩で4kmもかかる不便な状況でした。線路が近くにあっても利用できないという現実から、地元婦人会を中心とした中間駅新設運動が盛んに行われるようになりました。

1955年には「東八尾駅開設期成同盟会」が結成され、町議会と共に日本国有鉄道（当時）へ開業を請願。多くの請願の中から優先的に実現したという背景には、地元住民の強い要望と粘り強い活動があったことを物語っています。

駅の歴史：昭和から平成へ

1956年6月1日、笹津駅と越中八尾駅間に東八尾駅が開業しました。開業当初は旅客のみ取扱う無人駅で、簡素な駅舎が設置されました。1987年の国鉄分割民営化に伴い、JR西日本に移管。そして2019年には老朽化した待合所が改築され、現在に至ります。この改築は、長く駅を利用してきた人々にとって、大きな喜びだったことでしょう。

駅の構造：シンプルながらも機能的な設計

東八尾駅は、盛土上の単式ホーム1面1線を有する地上駅です。駅舎はなく、水洗式トイレと待合室が設置されています。自動券売機は設置されておらず、無人駅ならではの簡素なつくりとなっています。待合室脇と笹津方面の2ヶ所から駅へアクセスできます。また、構内には205キロポストが立っており、高山本線の歴史を感じさせる存在となっています。

改築された待合室は、城端線東野尻駅と同様の設計で、以前の木造構造の待合室とは大きく様変わりしました。以前の長椅子を備えた木造の待合室は、古き良き時代の面影を残すとともに、地元住民にとって懐かしい思い出が詰まった空間だったに違いありません。

北陸広域鉄道部が管理する無人駅である東八尾駅は、簡素ながらも必要な設備が整えられており、利用者の利便性を考慮した設計となっています。

利用状況：地域住民の生活を支える

東八尾駅の利用状況は、「富山県統計年鑑」と「富山市統計書」で確認できます。具体的な数値はこれらの資料を参照する必要がありますが、日々の利用者数は、地域住民の生活に密着した駅であることを示しています。

隣の駅

東八尾駅に隣接する駅は、下り方面が越中八尾駅、上り方面が笹津駅です。高山本線沿線で、それぞれの駅へのアクセスを担っています。

まとめ：地域と共に歩む小さな駅

東八尾駅は、地元住民の強い要望によって誕生し、地域社会に密着した歴史を持つ無人駅です。簡素な駅舎ながらも、利用者の利便性を考慮した設計がなされており、周辺の自然環境と調和した存在感を放っています。これからも、地域住民の生活を支え、高山本線沿線の重要な拠点としてその役割を果たし続けることでしょう。東八尾駅は、単なる駅としてだけでなく、人々の思いが凝縮された、かけがえのない場所なのです。

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