北陸広域鉄道部

JR西日本 北陸広域鉄道部：北陸地方の鉄道交通を支える組織

北陸広域鉄道部は、西日本旅客鉄道株式会社（JR西日本）の鉄道部の一つです。2015年3月14日、北陸新幹線金沢駅～長野駅間の開業に伴い、それまで存在した富山地域鉄道部と糸魚川地域鉄道部が統合される形で発足しました。

既存の鉄道部の枠組みを継承した組織であり、「広域鉄道部」という新しいカテゴリが作られたわけではありませんが、実態としては複数の地域を管轄する広域的な鉄道部と言えるでしょう。金沢支社の管轄下にあり、北陸地方の鉄道網維持に重要な役割を担っています。

歴史

北陸広域鉄道部の歴史は、前身となった組織の発足から始まります。

1995年10月1日：鉄道部制度の導入に伴い、糸魚川地域鉄道部が発足。糸魚川列車区が統合されました。
2009年6月1日：北陸地域鉄道部と高岡鉄道部が統合され、富山地域鉄道部が発足しました。
2015年3月14日：北陸新幹線金沢～長野間が開業したことに伴い、富山地域鉄道部と糸魚川地域鉄道部が廃止され、両者の統合により北陸広域鉄道部が誕生しました。

概要

北陸広域鉄道部は、金沢支社が管轄しています。統合当初、糸魚川地域鉄道部は所属車両を持たず、すべての車両が富山地域鉄道部に所属していました。統合後、これらの車両は金沢総合車両所富山支所に所属することとなり、車両に付される略号は「金トヤ」「富」と変更されずに引き継がれました。

管轄路線

北陸広域鉄道部は、以下の路線を管轄しています。ただし、一部区間は他の事業者との共用となっています。

高山本線：猪谷駅～富山駅間（富山駅の新幹線部分は金沢支社直轄、在来線部分はあいの風とやま鉄道の管轄）
城端線：全線（高岡駅はあいの風とやま鉄道の管轄、新高岡駅の新幹線部分は金沢支社直轄）
氷見線：全線（高岡駅はあいの風とやま鉄道の管轄）
大糸線：糸魚川駅～南小谷駅間（糸魚川駅の新幹線部分は金沢支社直轄、在来線部分はえちごトキめき鉄道の管轄。南小谷駅は東日本旅客鉄道長野支社の管轄）

車両基地

北陸広域鉄道部の車両基地は以下の通りです。

金沢総合車両所富山支所：富山県富山市に位置し、北陸広域鉄道部の車両の多くがここに所属しています。2015年3月14日の北陸本線金沢以東の第三セクターへの移管に伴い、枝線で運用される車両の検修を目的として設置されました。仕業検査・交番検査が行われています。
金沢総合車両所高岡運転派出：城端線・氷見線用車両が常駐しています。
金沢総合車両所糸魚川運転派出：大糸線用車両が常駐しています。

金沢総合車両所富山支所は、高山本線用車両の運用拠点となっており、糸魚川運転派出、高岡運転派出の下部組織として機能しています。

車体略号

北陸広域鉄道部の車両には、以下の略号が記されています。

旅客車：「金トヤ」（「金」は金沢支社の略号、「トヤ」は富山の電報略号）
機関車：「富」

設備保全区所

北陸広域鉄道部では、以下の設備保全区所が鉄道設備の維持管理を行っています。

糸魚川施設管理センター、糸魚川管理室、糸魚川電気管理センター
富山施設管理センター、富山管理室、高岡管理室、富山電気管理センター

これらの施設は、広範囲にわたる鉄道設備の安全と安定的な運用を支える上で重要な役割を果たしています。北陸広域鉄道部は、これらの組織を統合的に運用することで、北陸地方の鉄道交通の維持に貢献しています。

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