松平定喬

松平定喬（まつだいら さだたか）

松平定喬は、江戸時代中期において重要な役割を果たした大名であり、伊予国の松山藩の第6代藩主です。彼は定勝系久松松平家の7代目として、政治と文化の発展に寄与しました。

生い立ち

定喬は正徳6年（1716年）6月9日に生まれ、父は第5代藩主の松平定英、母は島津綱貴の娘であるお菟（信解院殿）でした。彼の幼名は百助であり、その壮大な家系は彼の運命を決定づける要因となりました。

享保15年（1730年）に従五位下・山城守に叙任され、その3年後に父の死去を受けて家督を継承しました。彼は家督継承後すぐに隠岐守に転任します。

政治活動と官位昇進

享保21年（1736年）には先祖である陽光院殿の百五十回忌法要を三河国安楽寺で執り行いました。元文元年（1736年）には従四位下に昇進し、延享4年（1747年）には桃園天皇立太子のための賀詞を持参する使者として朝廷に出仕することになりました。この際、侍従に叙任されて京都に向かい、桜町天皇に拝謁しています。

また、宝暦6年（1756年）には初代定行以来途絶えていた溜之間詰に任ぜられ、その地位に再び名を馳せました。しかし、宝暦13年（1763年）には健康を害し、弟の定功を養嗣とする決断を下しました。3月21日、江戸にある松山藩邸にて48歳で死去しました。

妻と子供

彼の婚約者であったのは松平正容の三女である養姫であり、正室は佐竹義峯の娘である照（蓮寿院殿）でした。生母が不明な子女の一人である鉄は、1761年に生まれ1780年に亡くなった後、松平定静の養女となり、松平定国の正室となる運命を辿りました。

また、定喬には男子である松平定功が居ます。

死後の処理

定喬の法号は顕徳院殿従四位拾遺補闕前隠州順誉和光慈観大居士であり、彼の遺体は三田済海寺に土葬されました。遺髪は松山大林寺に送られ、法要が営まれました。これ以降、松山藩主の遺体は三田済海寺に埋葬され、遺髪は松山大林寺に送ることが慣例となりました。彼の長い歴史の中で、松平定喬は政治的なリーダーシップだけでなく、文化的な影響も残した大名でした。

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