枚岡駅

枚岡駅：歴史と自然が織りなす近鉄の駅

枚岡駅は、大阪府東大阪市出雲井町に位置する近畿日本鉄道（近鉄）奈良線の駅です。駅番号はA14。駅名の由来は、駅前に鎮座する歴史深い枚岡神社にちなんでいます。かつて存在した枚岡市の中心駅ではありませんが、現在も地域住民の生活に深く根付いた重要な交通拠点となっています。

歴史を刻む軌跡

枚岡駅の開業は1914年（大正3年）4月30日に遡ります。大阪電気軌道の上本町（現・大阪上本町）～奈良（現・近鉄奈良）間の開通と同時に開業しました。その後、1928年（昭和3年）には、枚岡駅から東高野街道沿いに信貴山口まで延伸する計画がありましたが、実現には至りませんでした。1941年（昭和16年）には関西急行鉄道、1944年（昭和19年）には近畿日本鉄道と、幾度かの合併を経て現在の姿となりました。1992年（平成4年）にはホームが延長され、6両編成に対応。普通列車の本数も増加しました。2006年（平成18年）からは区間準急の停車駅となり、利用者の利便性が向上しました。2007年（平成19年）からはPiTaPaが導入され、ICカードでの乗車が可能となっています。

駅構造：急勾配とカーブの駅

枚岡駅は、相対式2面2線の地上駅です。特筆すべきは、30パーミルを超える急勾配とカーブの途中に設置されている点です。このため、線路にはカント（傾斜）がつけられており、停車する電車は大きく傾く独特の構造となっています。ホームの有効長は6両分ですが、改札口から奈良方面側は幅が狭くなっています。また、両ホームとも改札口が別々に設置されており、駅構内でのホーム間の移動はできません。そのため、改札外に駅の東西を結ぶ地下道が整備されています。

東花園駅が管理駅となっており、有人駅として駅員が常駐しています。PiTaPaやICOCAに対応した自動改札機、自動精算機が設置され、利用者の利便性が図られています。

利用状況と周辺環境

2022年11月8日時点の1日あたりの乗降人員は約4,149人です。近年、乗降人員は安定して推移しています。

枚岡駅周辺には、枚岡神社、枚岡公園、枚岡梅林といった歴史的建造物や自然豊かな場所があります。枚岡神社は、祭礼での勇壮な布団太鼓が有名です。その他、護国院、浄国寺、枚岡病院といった施設も近隣に位置しています。国道308号（暗越奈良街道）や、難所として知られる暗峠へのアクセスも良好です。

隣の駅

まとめ

枚岡駅は、歴史と自然、そして現代的な利便性を兼ね備えた駅です。急勾配とカーブという独特の構造も、この駅の個性となっています。地域住民の生活を支える重要な拠点として、今後も発展していくことでしょう。

もう一度検索