櫟本駅

櫟本駅の概要

櫟本駅（いちのもとえき）は、奈良県天理市櫟本町瓦釜に位置している西日本旅客鉄道（JR西日本）の桜井線、通称万葉まほろば線の駅です。この駅は難読地名としても知られており、その名前は伝説に由来しています。伝説によると、この地域には天狗が住んでいたとされる巨大な櫟の木があったことから名付けられたと言われています。

歴史的背景

櫟本駅の開業は1898年（明治31年）5月11日で、当時の奈良鉄道によって京終駅から桜井駅間で設置されました。1905年には関西鉄道が奈良鉄道を合併し、その後1907年には国有化されて帝国鉄道庁の駅となりました。1909年には桜井線の一部として正式に名称が制定されています。

駅は時代と共に変遷を辿り、1970年に貨物取り扱いを廃止し、1984年には荷物の取り扱いも終了しました。1987年の国鉄分割民営化により、JR西日本の駅となりました。また、2002年に無人駅となり、近年では2005年にICカード「ICOCA」の利用が可能になりました。2010年には路線愛称の「万葉まほろば線」が成立し、現在に至っています。

駅の構造

櫟本駅は王寺鉄道部に管理されている無人駅であり、相対式のホームが2面、2線あります。この構造は交換設備を備えた地上駅で、下り線（高田方面）と上り線（奈良方面）を跨線橋で繋いでいます。かつては中線が存在したとされることから、駅間のスペースは広いです。天理教団体の参拝列車が停車または行き違いを行うため、最大8両に対応できるのが特徴です。

駅舎と跨線橋は共に木造で、開業当初からの建物が使用されています。以前は業務委託駅でしたが、2002年に無人化されました。ICカードの対応として、ICOCAや他のICカードが利用できる機器が設置されており、自動券売機もありますが、普通の乗車券用の自動改札機はない点が特徴的です。

利用状況

2023年度のデータによれば、櫟本駅の1日平均乗降者数は1,710人です。このグラフは近年のトレンドを示しており、多くの利用者がこの駅を利用しています。特に地域の重要な交通の要所として機能していることが伺えます。

駅周辺の施設

駅周辺には地域の教育機関や文化的なスポットが多数点在しています。奈良県立添上高等学校や天理市立櫟本小学校、日本郵便の天理櫟本郵便局、さらには和邇下神社や楢神社も近くにあります。また、菩提寺である大興寺や、華道未生流流祖の墓も徒歩圏内にあります。地域の歴史や文化を感じることができるスポットが多数存在します。さらに、西名阪自動車道の天理ICも近く、交通の便は良好です。さらに、地域と歴史を感じさせる「山之辺の道」の石碑も近くにあります。

隣接する駅

櫟本駅に隣接しているのは、万葉まほろば線の帯解駅と天理駅です。このように、地域の交通網は非常に効率的に構築されており、日常の利用から観光まで多岐にわたって活用されています。

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