気多大社

気多大社（けたたいしゃ）

気多大社は、石川県羽咋市寺家町に位置する神社で、正式には氣多大社と呼ばれています。式内社であり、能登国一宮としても知られています。旧社格は国幣大社で、現在は神社本庁に属さない独立した神社となっています。かつては「気多大神宮」としても称されていました。

概要

この神社は、能登半島の北端にあたり、日本海に面して鎮座しています。祭神である大己貴命は、出雲から多くの神々を引き連れてこの地に降り立ち、国土を開拓し、守護神として鎮まったとされています。北陸を代表する神社として古くから知られ、中世や近世には数々の領主から保護を受けてきました。現在では、本殿やその他の社殿が国の重要文化財に指定され、また国の天然記念物として「入らずの森」が有名です。

祭神

気多大社の祭神は大己貴命（おおなむちのみこと）一柱です。彼は出雲地方の神であり、国土の開発と繁栄を祈念されています。

歴史

創建

社伝によれば、第8代孝元天皇の時代に、大己貴命が300余神を率いてこの地に降り立ち、海路を開いたとされています。この際、彼は化鳥や大蛇を退治したとのこと。また、気多大社についての別の記録では、孝元天皇の代に異国から渡来した王子が能登半島を巡行し、鬼神を追い払ったとも伝えられています。

概史

奈良時代には既に北陸の寺院として有名で、文献にも名が残っています。825年には正三位を受け、859年には従一位に叙ぜられた歴史があります。特に、延喜式神名帳には「気多神社 名神大」として記載されています

中世から近世にかけては能登国一宮として崇敬を受け、地方の領主たちから保護されました。明治時代に入ると、近代社格制度により国幣中社に列し、その後1915年には国幣大社へ昇格しましたが、2010年には神社本庁に属さない単立神社に転換しました。

境内

社殿

気多大社の社殿群は非常に重要な文化財です。本殿は江戸時代の1787年に造営され、三間社として珍しい両流造りをしています。檜皮葺きの屋根を持ち、周囲には拝殿や神門、神庫なども同時期に建てられ、いずれも国の重要文化財に指定されています。

入らずの森

境内の裏手には「入らずの森」と呼ばれる原生林が広がっており、この地の神域とされています。30,000平方メートルにわたる森には多様な常緑広葉樹が密生し、中には300年以上の樹齢を誇る木もあります。特定の日には神職のみが立ち入りを許される神聖な場所です。

主要な祭り

気多大社では、毎年多くの祭りが行われ、その中でも「鵜祭」が特に知られています。この祭は、大己貴命が新たな地に着いたことを祝福するもので、鵜を奉納する伝統があります。祭りの中で鵜がどのように進むかによって、翌年の作物の豊凶を占いたりします。

文化財

気多大社には、5棟の建物が国の重要文化財に指定されており、また「気多の鵜祭」自体も重要有形民俗文化財に認定されています。入らずの森は天然記念物にも指定されています。

アクセス

気多大社へのアクセスはアクティビティが多様で、公共交通機関ではJR羽咋駅からバスを利用し、車の場合はのと里山海道柳田ICから5分程度で到着できます。周辺には正覚院が隣接しており、気多大社の元神宮寺とされています。

このように、気多大社は歴史的、文化的価値が高く、地域の信仰の中心として人々から親しまれています。神社の神聖な雰囲気や独特の文化を感じられる場所です。

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