海老津駅

海老津駅（えびつえき）は、福岡県遠賀郡岡垣町海老津駅前にある、九州旅客鉄道（JR九州）鹿児島本線の駅です。駅番号はJA16で、岡垣町で唯一の駅として、地域の人々に利用されています。

歴史

海老津駅は、1910年（明治43年）2月6日に鉄道院によって開設されました。開業当初は、地域の炭鉱で採掘された石炭の輸送拠点としての役割も担っていました。しかし、1956年（昭和31年）12月には海老津炭鉱が閉山し、駅構内にあった炭鉱関連設備や運炭線は廃止されました。

その後、1961年（昭和36年）10月1日に貨物の取り扱いが廃止され、1985年（昭和60年）3月14日には荷物扱いも廃止されました。1987年（昭和62年）4月1日には国鉄分割民営化により、九州旅客鉄道が駅を継承しました。

1988年（昭和63年）12月6日には、新駅舎と駅前広場が完成し、国道3号と接続する道路や駅前線も整備されました。これにより、駅前広場への路線バス乗り入れが可能となり、利便性が向上しました。2000年（平成12年）7月25日には自動改札機が設置され、2009年（平成21年）3月1日にはICカード「SUGOCA」の利用も可能になりました。

2015年（平成27年）4月1日からは、JR九州鉄道営業が駅業務を行う業務委託駅となりましたが、2023年（令和5年）10月1日からは再び直営駅となっています。2016年（平成28年）12月17日には、駅南北を結ぶ自由通路と駅南口ロータリーが供用開始され、駅の利便性はさらに向上しました。

駅名の由来

駅名は、開業時の地名である遠賀郡岡垣村字海老津に由来します。海老津の「海老」は「曲がりくねった台地」、「津」は「港」を意味し、この地が曲線状の台地に設けられた川港の町であったことを示しています。

岡垣町の前身である岡垣村は、1907年に岡県村と矢矧村が合併して成立しましたが、矢矧村は村の名前を残せませんでした。そのため、当時の遠賀郡長は、矢矧村の中心地であった海老津を駅名に採用したと言われています。かつては、駅名を西遠賀駅に変更する案も検討されていたようです。

駅構造

海老津駅は、単式ホーム1面1線と島式ホーム1面2線、計2面3線の高架駅です。駅舎は単式ホーム側（駅北側）にあります。駅は金比羅山の中腹に位置しており、初代駅舎は市街地から13mの高さにありました。初代駅舎は駅前広場が狭く、バスが乗り入れられなかったため、1988年に新駅舎と駅前広場が整備されました。

新駅舎は鉄骨平屋建てで、駅前広場の嵩上げに合わせて約6m掘り下げた位置に建設されました。プラットホームは従来のままであったため、駅舎とホームは地下道で接続されています。以前は跨線橋で連絡していました。

駅舎の反対側である駅南側からは、直接駅舎への出入りはできませんでしたが、2016年12月17日に自由通路と南口ロータリーが完成し、駅の南北を自由に行き来できるようになりました。駅は直営駅で、自動改札機とみどりの窓口が設置されています。2015年 4月1日から2023年9月30日までは、JR九州サービスサポートが駅業務を受託する業務委託駅でした。

駅構内にトイレはなく、駅舎を出て東側にある公衆トイレが最寄となります。駅舎内（改札外西側）にはかつてトランドールがありましたが、2017年8月に閉店し、同年11月にはファミリーマートJR海老津駅が開業しました。

のりば

1番のりば：下り（折尾・黒崎・小倉方面）
2番のりば：上り（赤間・博多方面）
3番のりば：上り（赤間・博多方面）または下り（折尾・黒崎・小倉方面）

停車列車

海老津駅には、普通・区間快速の全列車と、大半の快速が停車します。快速のうち、夕方の下り1本と朝の上り3本のみ通過します。博多方面と小倉方面の両方から当駅発着の列車が設定されています。

1980年10月1日改正以前は、全ての快速列車が停車していましたが、同改正で特別快速が廃止され、快速に統合された際に快速停車駅から外されました。その後、2003年のダイヤ改正で朝夕の一部の快速が停車するようになり、現在ではほとんどの快速が停車するようになりました。2025年3月のダイヤ改正で、全ての快速電車が停車する予定です。

利用状況

開業初日の利用者は3人でしたが、昭和30年代には毎年約10%の利用者増加が続き、1964年度には1日平均乗降人員は約6,200人に達しました。2014年度の1日平均乗降人員は7,903人、2022年度の1日平均乗車人員は3,178人となっています。

駅周辺

駅周辺には、岡垣町役場や郵便局、銀行、商業施設などの公共施設や店舗があります。また、三里松原や波津海水浴場などの自然豊かな観光スポットも点在しています。

岡垣町役場
情報プラザ人の駅・東部出張所
ビジネスホテル吉野屋
岡垣郵便局
海老津ショッピングセンター
西日本シティ銀行海老津支店
福岡銀行岡垣支店
ファッションセンターしまむら岡垣店
ヤマダデンキテックランド岡垣店
岡垣町民体育館
東部公民館
新海老津区公民館
九州電力海老津変電所
岡垣サンリーアイ
三里松原
波津海水浴場

バス路線

駅前ロータリーには、西鉄バスと岡垣町コミュニティバスの停留所があります。西鉄バスは、サンリーアイ・松ケ台・旭東方面や赤間営業所方面へ運行しています。岡垣町コミュニティバスは、糠塚・元松原循環線、海老津駅南・龍王団地線、高陽団地循環線などを運行しています。かつては、海老津バスセンターから天神や黒崎行きの急行バスも発着していましたが、現在は廃止されています。海老津バスセンターは、現在もバスの経由地や待合所として利用されています。

隣の駅

九州旅客鉄道（JR九州）
鹿児島本線
■快速（一部の列車）・■区間快速（速達列車）
折尾駅 (JA19) - 海老津駅 (JA16) - 赤間駅 (JA14)
■区間快速（福間駅まで各駅に停車する列車）・■普通
遠賀川駅 (JA17) - 海老津駅 (JA16) - 教育大前駅 (JA15)

外部リンク

海老津駅（駅情報） - 九州旅客鉄道
電子広報岡垣バックナンバー（昭和５８年５月号） 5ページ目に海老津駅開業前の記述

脚注

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