瀬名貞雄

瀬名貞雄について

瀬名貞雄（せな さだお）は、江戸時代中期から後期にかけて活躍した旗本であり、故実家としても名を馳せた人物です。彼の生涯と業績は、当時の武家社会における故実や歴史、地理に深く関わっており、多くの著作を残しています。

生涯の概要

貞雄は旗本・瀬名俊光の子として生まれ、初名は弌福（かずまさ）でした。彼は、1747年11月29日に父の隠居によって家督を継承し、その後すぐに徳川家重に初謁しました。1748年5月には大番に任命され、1782年までその職を務めました。後に彼は奥御祐筆組頭格に就任し、若干の名誉ある職を歴任します。

寛政元年（1789年）、彼は平岡資模の『御九族記』の編纂に関与し、その完成後には報奨として2領の時服を賜りますが、自身が進めていた『藩翰譜続編』は完成を見ずに終わりました。1796年10月12日、老齢を理由に職を辞し、同年11月17日に他界したとされています。享年は81歳です。

著作に関する情報

瀬名貞雄の著作物の中でも特に有名なのは『瀬田問答』です。この書籍は、大田南畝との質疑応答を集約したもので、1785年から1790年にかけて執筆されました。また、彼は『今川家式』『武家職掌分類』『江戸割絵図』『改撰江戸志』『関東補任記』など、多くの著作を手がけています。

特に『今川一苗之記』は、1772年に今川一族の由緒を記した重要な資料であり、内閣文庫に所蔵されています。貞雄の業績は、彼自身の故実に対する深い理解と愛情によって支えられていました。

家族と系譜

瀬名貞雄は、瀬名俊光を父に持ち、母は瀬名弌明の養女でした。彼は一橋家の侍女・堀井の養女を妻に迎え、子供には長男の瀬名貞如や二男の瀬名貞恒がいます。貞恒は病のため、協力者である村嶋清三郎の養子となりましたが、後に実家に戻ります。また、貞雄の娘は飯室昌許（仙太郎）の妻となっています。

このように、瀬名家は今川氏の末裔であり、名門としての歴史を保持しています。彼が残した著作や系譜は、現在も多くの研究者や歴史愛好家にとって貴重な資料となっています。

総括

瀬名貞雄は、江戸時代の文化や歴史を紡ぐ上で重要な役割を果たしました。彼の著作は、当時の武士や故実に関する貴重な情報を提供しており、日本の歴史における時代背景を理解する上でも欠かせないものです。彼の子孫たちは、その遺産を引き継ぎながら、現在に至るまでその名を守り続けています。

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