瀬棚郡

瀬棚郡の概要

瀬棚郡（せたなぐん）は、北海道の後志国に存在する行政区で、檜山振興局に属しています。現在の人口は約4,471人で、広さは568.25平方キロメートルです。人口密度は7.87人/km²という割合で、広範な地域に数少ない住民が暮らしています。現在この郡の中には今金町（いまかねちょう）の一つの町が含まれています。

郡域の成立

この郡は1879年7月23日に行政区画として設立されました。当初の郡域は今金町の他に、久遠郡の一部分も含まれていました。具体的には、瀬棚区および北檜山区の北檜山区兜野および愛知以北の地域が組み込まれた形です。

歴史的背景

瀬棚郡の地域は、江戸時代にはすでに和人地として開発されていました。松前藩がこの地の開発を進め、陸上交通面では渡島国から天塩国への道中に位置していました。地域内では狩場山や茂津多岬が交通の難所となり、舟に依存する部分が多かったのです。安政年間には、江差の商人らが私費を投じて須築からコタニシに至る狩場山道を開設することで、地域を通じた陸路の確保が進められました。

後期の文化4年には、瀬棚郡は天領に指定されましたが、その後文政4年には再び松前藩の管轄となりました。戊辰戦争（箱館戦争）後の1869年には、国郡里制をもとに郡が設置されたのがこの地域の近代的な開始となります。

郡の歴史的発展

明治4年には開拓使の管轄となり、その後も様々な行政区画改編が続きました。特に明治9年のころからは郡役所や教会の設立が行われ、地域の発展が見られました。特筆すべきは、明治35年に北海道二級町村制が施行され、瀬棚村やそれに付随する村が形成されたことです。

大正期になると、瀬棚村は町制を施行し、瀬棚町へと改称されるなど、地域の自治体としての存在が確立されていきました。その後も、昭和に入ると町制の施行や合併が行われ、利別村は今金町として新たに事業を展開することとなります。

近代の変遷

現代において、2005年に北檜山町と瀬棚町が合併し、久遠郡せたな町が設立されました。これにより、瀬棚郡としての歴史は一旦区切りを迎え、新たな自治体に生まれ変わることとなりました。また、最近では2010年に檜山支庁が廃止され、新たに檜山振興局の管轄となるなど、地域の政治的枠組みも変化を遂げています。

このように、瀬棚郡は江戸時代から現代にかけて数多くの歴史的変遷を経て、地域社会の一部として根付いてきました。

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