男体山

男体山（なんたいさん）

男体山は栃木県日光市に位置する標高2,486メートルの成層[[火山]]であり、日光国立公園の一部として指定されています。日本百名山の一つとして知られ、多くの登山者に親しまれています。山の北側には中禅寺湖が広がり、周囲の大自然と共にその美しい姿を楽しむことができます。男体山は、日光二荒山神社の境内地にあり、霊峰としても信仰の対象とされています。登拝の期間は、毎年5月5日から10月25日と定められていましたが、2019年からはその期間が4月25日から11月11日へと延長されました。

概要

日光市街地は、いろは坂を登り中禅寺湖の北岸にたどり着くと、男体山の美しい姿が見えてきます。この山体は、成層[[火山]]特有の円錐形をしており、関東地方のほぼすべての地域から見ることができます。男体山の名は、東側にそびえる女峰山と対を成すものであり、男女一対の山は日本各地に存在しますが、男体山と女峰山は特に多くの信仰を集めています。山頂には日光二荒山神社の奥宮が鎮座しており、ここが山岳信仰の中心地となっています。さらに、山頂にある一等三角点「男体山」は、その標高に注目を集めています。

地学的特長

男体山は、東北日本弧の火山フロント付近に位置する中型の成層[[火山]]で、日光火山群に属します。約3万年前から安山岩やデイサイトを噴出しながら形成されてきました。基底径は約6キロメートルあり、比高は約1,200メートルに達します。山頂には直径約1キロメートルの北に開いた馬蹄形の火口があり、この特徴は火口の北側が崩落した結果生じたものとされています。男体山からは多くの溶岩流が流出し、中禅寺湖や戦場ヶ原の形成に寄与しました。これらの流出口には、日本三大瀑布の一つである華厳滝や竜頭の滝があります。

長らく男体山の最後の噴火は約14,000年前と考えられていましたが、2008年の調査で約7,000年前にも噴火があったことが確認されました。その結果、男体山は火山噴火予知連絡会により活[[火山]]と認定されました。

歴史

男体山の初めての登頂は782年（天応2年）に僧勝道上人によって成し遂げられました。彼は山頂への登拝を自身の悟りの一環と考え、残雪の残る時期に山を登る決意を固めました。また、江戸時代には、多くの修行者が男体山で怪異を経験したと伝えられ、山の神秘性を一層深めました。

明治時代には『黒髮山』と呼ばれ、栃木県内で最も高い山であると認識されていました。1877年には日光二荒山神社奥宮に鉄の剣が奉納され、1975年には勝道上人の初登頂から1200年を記念して石鳥居が建立されました。2003年には測量により、男体山の標高が変更され、栃木県のシンボル的存在となっています。

東日本大震災以降

2011年の東日本大震災後、男体山の山頂にあった石鳥居の倒壊が発見され、檜製の新しい鳥居が再建される運びとなりました。また、折れた鉄の剣も新しいステンレス製の剣で修復され、男体山は再び多くの人々に親しまれる場所となりました。

登山

登山口は南麓の湖畔に位置する日光二荒山神社中宮祠で、一般的な登山コースです。登山には約3時間50分、下山には約2時間30分要します。安全祈願のお守りを受け取ることもできます。中宮祠からは東武バスが運行されており、アクセスも便利です。男体山は栃木県民にとって特別な場所、信仰の山です。

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