相模湖駅

相模湖駅：歴史と自然に抱かれた中央本線の駅

相模湖駅は、神奈川県相模原市緑区与瀬に位置するJR東日本中央本線の駅です。相模原市で最も北に位置し、1901年の開業以来、地域住民の足として、そして観光客の玄関口として長く親しまれてきました。

歴史を刻む駅舎

当初は「与瀬駅」として開業、その後1956年に「相模湖駅」と改称されました。昭和天皇の行幸啓があった1947年にはお召し列車が発着するなど、歴史的な出来事にも舞台となった駅です。

開業当初は旅客と貨物の取扱を行っていましたが、貨物輸送は1962年に廃止。1986年には中央線快速の運転が延伸され、東京駅まで乗り換えなしでアクセス可能になりました。その後、自動改札機の設置やSuicaの導入など、時代の流れに合わせて駅施設は進化を続けています。

1987年の国鉄分割民営化によりJR東日本へと移管。近年では2017年に駅舎外観やホームの待合室、トイレのリニューアルが実施され、2019年には業務委託駅となりました。2013年には駅構内で列車脱線事故が発生し、一時運転見合わせとなる事態もありましたが、その後も安全対策を強化しながら営業を継続しています。

2006年にはみどりの窓口が廃止され、もしもし券売機Kaeruくんが設置されましたが、2012年に営業終了。現在は自動券売機が設置され、利用者の利便性が図られています。なお、始発から6時10分までは無人駅となるため、乗車駅証明書発行機が利用されます。

駅構造とアクセス

相模湖駅は単式ホーム1面1線と島式ホーム1面2線、合計2面3線の地上駅です。さらに、上り本線脇には上り副本線が敷設されており、事業用列車の待避などに使用されています。2005年にはエレベーターが設置され、バリアフリー化も進んでいます。

以前は直営駅として藤野駅を管理していましたが、現在はJR東日本ステーションサービスが業務を委託しており、八王子統括センター（高尾駅）が管理しています。

利用状況と周辺環境

2023年度の1日平均乗車人員は約1823人です。駅周辺には、かつて駅舎出口脇にKIOSKがありましたが、2006年に閉店しています。

駅前にバスロータリーがあり、神奈川中央交通西の路線バスが運行されています。過去には長距離路線もあったようですが、マイカーの普及などにより減便・廃止となり、現在では近隣の地域を結ぶ路線が中心となっています。

未来への展望

中央本線では2024年度末までに、東京～大月駅間の中央線快速電車に2階建グリーン車を連結した12両編成運転が計画されています。それに伴い、相模湖駅もホームの延伸工事などが行われ、12両編成の停車に対応できるよう整備されました。

相模湖町が相模原市に編入されたことに伴い、相模原市からは八王子駅経由で相模原駅や橋本駅を結ぶ横浜線からの直通列車の運行が要望されています。今後、地域の交通ネットワークの更なる発展が期待されます。

そして、観光の拠点として

相模湖駅は、毎年8月1日に開催される「さがみ湖湖上祭花火大会」の最寄り駅です。花火大会期間中は、高尾駅から臨時列車が運行され、多くの観光客で賑わいます。また、冬にはさがみ湖MORI MORIのイルミネーションを楽しむ観光客も多く利用し、一部列車の臨時停車も行われています。

相模湖駅は、歴史と自然に恵まれた、地域住民と観光客にとってかけがえのない存在であり続けています。将来も、地域社会の発展と共に、その役割を担い続けることでしょう。

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