笹子駅

笹子駅：中央本線の歴史と自然が織りなす駅

山梨県大月市笹子町に位置する笹子駅は、JR東日本中央本線の駅です。東京駅から100キロメートルを超える中央本線最初の駅として、重要な役割を担っています。周囲は自然豊かな山々に囲まれ、歴史と風情を感じさせる駅舎が特徴です。

歴史を刻む駅

笹子駅は1903年、中央本線の大月駅～初鹿野駅（現在の甲斐大和駅）間の開通と同時に開業しました。当初は旅客と貨物の両方を扱う駅でしたが、1963年には貨物取扱いを廃止。その後、1966年の複線化によって、かつて存在したスイッチバック方式の運転は解消されました。さらに1970年には荷物扱いも廃止され、業務委託駅となり、1985年には無人駅となりました。1987年の国鉄分割民営化を経て、現在はJR東日本が運営しています。2004年にはSuicaの利用が可能になり、東京近郊区間に編入されました。近年では、自動券売機のサービスが終了しています。

駅の歴史には、1945年に発生した下り列車の転覆事故という暗い影も残っています。この事故は、多くの犠牲者を出した痛ましい出来事として記憶されています。

駅構造と周辺環境

笹子駅は、島式ホーム1面2線の地上駅です。駅舎とホームは地下通路で結ばれています。かつてはスイッチバック構造でしたが、複線化によって廃止され、現在の駅舎は下り列車目線で上り勾配25パーミル（2.5%）の線路上に位置しています。スイッチバック跡地には、現在はJR東日本の研修施設が設置されています。無人駅であるため、乗車駅証明書発行機や簡易Suica改札機が設置されています。

駅周辺は、自然豊かな環境が広がっています。駅前にある笹子トンネル開通記念碑は、甲府駅前舞鶴城公園から移設されたものです。

笹子餅：駅名物

笹子駅周辺では、笹子餅という名物が有名です。笹子峠の入口に位置する、みどりやというお店が笹子餅を製造販売しています。かつては駅構内でも販売されていましたが、駅の無人化に伴い、現在は駅前にある工場と販売所で購入できます。伝統的な経木で包まれた5個入りは、現在でも販売されていますが、10個入りの紙箱入りの方が一般的です。2014年には、車内販売や駅構内での外部委託販売が終了し、現在は本店、工場、笹一酒造でのみ購入できます。

隣の駅

初狩駅
甲斐大和駅

まとめ

笹子駅は、歴史と自然、そして名物笹子餅と、多くの魅力を併せ持つ駅です。中央本線沿線の旅の拠点として、また、歴史に触れる場所として、訪れる価値のある駅と言えるでしょう。

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