義烏市

義烏市（イーウーし）

義烏市は、中国浙江省金華市に位置する県級市であり、世界最大級の日用品卸売市場である義烏国際商貿城があることで知られています。

地理

義烏市は、杭州市から南へ約100km内陸に位置し、山々に囲まれた金衢盆地の東端にあります。この地域は古くから農業が盛んで、水稲やサトウキビなどが栽培されています。また、金華火腿（金華ハム）の名産地としても有名です。

歴史

義烏という地名の由来は、顔烏という人物が父親を埋葬する際、カラスがくちばしを傷つけながらも手伝ったという伝説に由来します。過去の県名である烏孝や烏傷もこの伝説にちなんでいます。

春秋時代には越が嶕峴に都を遷都し、この地が現在の義烏市に相当します。秦代には烏傷県が設置され、新代には一時的に烏孝県と改称されましたが、後漢代には再び烏傷県に戻されました。その後、長山県や永康県が分置されました。

唐代には稠州に昇格し、烏孝県や華川県が管轄下に置かれましたが、後に義烏県が誕生しました。その後も東陽県や浦陽県が分置され、1988年に県級市に改編され、現在に至ります。

産業

商品卸売市場

義烏市の経済を支えているのは、義烏国際商貿城（福田市場）、中国小商品城、賓王市場といった大規模な日用品卸売市場です。これらの市場は中国東部最大の物流拠点であり、世界中からバイヤーが訪れます。日本の100円ショップで販売されている中国製品の多くも、この地を経由しています。

義烏国際商貿城一区: 2002年開業、床面積34万平方メートル、店舗数1万店以上
義烏国際商貿城二区: 2004年開業、床面積60万平方メートル、店舗数1万店以上
義烏国際商貿城三区: 床面積46万平方メートル
義烏国際商貿城四区: 2008年開業、床面積108万平方メートル、店舗数2万店弱
義烏国際商貿城五区: 床面積64万平方メートル、店舗数7000店以上
中国小商品城・篁園服装市場（六区）: 2011年開業、床面積42万平方メートル、ファッションアパレル専門
賓王市場: 床面積32万平方メートル、加工食品などを扱う

交通

義烏市は、中国政府が推進する一帯一路政策の重要な拠点であり、マドリードやロンドンを結ぶ世界最長の鉄道路線が通っています。

道路: 滬昆高速道路
鉄道: 義烏駅
航空: 義烏空港

行政区画

義烏市は、以下の街道と鎮によって構成されています。

街道: 稠城街道、江東街道、稠江街道、北苑街道、後宅街道、城西街道、廿三里街道、福田街道
鎮: 仏堂鎮、赤岸鎮、義亭鎮、上渓鎮、蘇渓鎮、大陳鎮

出身者

義烏市は、多くの著名な人物を輩出しています。

駱賓王 - 詩人
陳望道 - 言語学者
* 呉晗 - 歴史学者・政治家

義烏市は、その経済的な重要性と歴史的な背景から、中国において独特な地位を占める都市です。

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