越前たけふ駅

越前たけふ駅：北陸新幹線と地域を結ぶ拠点

2024年3月16日、北陸新幹線金沢～敦賀間の延伸開業に伴い、福井県越前市に越前たけふ駅が開業しました。北陸新幹線単独駅としては、北陸本線（現・ハピラインふくい線）武生駅から東北東約3km、北陸自動車道武生インターチェンジの南側に位置する、アクセス性に優れた駅です。

駅の整備と開業

駅周辺整備計画は2015年に策定され、道の駅越前たけふの設置やアクセス道路の整備などが行われました。駅舎本体工事は2020年11月9日に開始され、2022年9月には内装工事が完了。駅舎以外の施設は2023年3月18日に先行開業し、同年3月16日、北陸新幹線敦賀延伸と同時に、越前たけふ駅が開業しました。開業式典では、俳優の小泉孝太郎氏が特別一日駅長を務めました。

駅名選定

当初は仮称「南越駅」でしたが、2020年から駅名選定委員会が設置され、複数の候補案から「越前たけふ駅」が選ばれました。この駅名は、JR西日本管内、そして北陸新幹線において初めてひらがなを用いた駅名となりました。選定過程では、隣接する鯖江市の要望や、福井鉄道の駅名変更問題なども考慮されました。結果として、福井鉄道の「越前武生」駅は「たけふ新駅」に改称されています。

駅構造とデザイン

越前たけふ駅は、相対式ホーム2面2線と中央に通過線2線を有する高架駅です。ホームには越前市の魅力が詰まった写真が展示されたホームドアが設置されています。駅舎の外観は越前和紙の流し漉きをイメージし、内部には越前指物など地元の伝統工芸品が使用されています。コウノトリをモチーフとしたホームデザインも特徴的です。駅の出入口は西口、東口、南口の3箇所あり、西口には広々とした交通広場が整備されています。東口はパークアンドライド駐車場、南口はレンタカー営業所などがあります。

停車列車と利用状況

停車する列車は、「はくたか」「つるぎ」「かがやき」の一部です。開業時の定期列車停車本数は49本で、新幹線単独駅としては多い本数でした。越前市は、1日の乗降客数を約2000人と推定しています。

駅周辺環境

駅周辺は田畑が広がる自然豊かな地域です。北陸自動車道武生ICへのアクセス道路や国道8号へのアクセス道路が整備されています。駅東側には岩内山、西側には村国山があり、岩内山からは駅を見下ろすことができます。駅周辺には、福井村田製作所の研究所（2026年4月開設予定）の建設が進んでいます。飲食店やショッピングセンターなどは駅から少し離れた場所に位置しています。また、越前市街（旧武生市街）は西側にあり、ハピラインふくい線の武生駅があります。

バス路線

駅には、北陸道ハイウェイバス福井線（名古屋方面）、越前市デマンド交通（チョイソコ）、越前市シャトルバス（武生駅・大河ドラマ館方面）が発着しています。

駐車場問題

駅前に約600台分の駐車場が整備されましたが、開業後は特に週末に満車になることが多く、苦情も寄せられました。高速バス利用者増加が原因の一つとして挙げられており、一時的に臨時駐車場も設置されました。無料駐車場であることが、長期滞在の地域住民による利用増加にも繋がっているようです。

その他

福井テレビの報道番組『タイムリーふくい』では、北陸新幹線の駅建設の様子が放送され、YouTubeチャンネルで動画も公開されています。

越前たけふ駅は、北陸新幹線と地域を繋ぐ重要な拠点として、今後ますます発展していくことが期待されます。

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