鈞

鈞（きん）とは

鈞（きん）は、古代中国で使用されていた質量の単位です。具体的には、当時の単位である「斤（きん）」の30倍に相当し、「石（せき）」の1/4にあたります。この単位は、唐代以前の中国で用いられていた複雑な質量体系の一部でした。

古代中国の質量体系

唐代以前の中国では、以下のような質量単位の体系が使われていました。

1石（せき） = 4鈞（きん）
1鈞（きん） = 30斤（きん）
1斤（きん） = 16両（りょう）
1両（りょう） = 24銖（しゅ）

このように、複数の単位が組み合わさった複雑な体系であったことがわかります。

現代における鈞

現代の中国では、市制における質量単位として「担」（たん）が「斤」の上に位置づけられていますが、「鈞」は日常的には使用されません。ごくまれに、非常に重いものを表現する際に「千鈞（せんきん）」や「万鈞（ばんきん）」といった言葉が使われる程度です。

日本における鈞

日本においても、質量の単位として「斤（きん）」の上に「貫（かん）」（6.25斤）がありますが、「鈞」は使用されません。したがって、現代の日本においては、日常的に「鈞」という単位を目にすることはありません。

鈞の質量に関する研究

1928年、劉復（りゅうふく）は、新（しん）の時代に使われていた嘉量（かりょう）という計量器の質量を13600gと測定しました。この嘉量の質量が、『漢書（かんじょ）』に「二鈞（にきん）」と記載されていることから、当時の1斤を約226.67g（13600g ÷ 60斤）と算出しました。この研究により、古代の質量単位の具体的な重さが推定されるようになりました。

まとめ

鈞は、古代中国において使用されていた質量単位であり、現代ではほぼ使われていません。ただし、重さを表現する言葉として、一部残っています。日本においては、歴史的に使用されたことはなく、なじみの薄い単位と言えるでしょう。

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