電波新聞社

電波新聞社：日本のエレクトロニクス業界を支える老舗メディア企業

1950年5月に設立された株式会社電波新聞社は、日本のエレクトロニクス業界において、長年にわたり重要な役割を果たしてきたメディア企業です。東京都品川区に本社を置く同社は、電子部品、家電製品、コンピュータ関連製品など、エレクトロニクス業界全般を対象とした新聞や雑誌を発行しています。電気新聞を発行する日本電気協会や、電波タイムズを発行する電波タイムス社とは別会社であり、資本関係や歴史的つながりも一切ありません。

幅広いメディア事業

電波新聞社の主力媒体である『日刊電波新聞』は、家電量販店、地域家電店、携帯電話ショップなど、流通部門にも焦点を当てた情報を提供しています。朝日新聞社の販売網と提携しているため、全国各地で容易に購読することが可能です。過去には、米国『ビルボード』誌と提携し、音楽業界の情報も発信していました。

コンピュータ業界への貢献

電波新聞社は、日本のコンピュータ業界の発展にも大きく貢献しました。1977年10月から1995年4月まで発行されていた『月刊マイコン』誌は、黎明期のパーソナルコンピュータに関する情報を提供し、多くのコンピュータ愛好家に支持されました。特に1982年に創刊された『マイコンBASICマガジン』（通称ベーマガ）は、初心者向けのプログラミング情報を掲載し、日本のパソコン文化に大きな影響を与えました。

これらの雑誌では、掲載プログラムを記録したメディアや、ユーザーが作成したオリジナルソフトウェアの販売も行っていました。また、アーケードゲームの名作をX68000に移植した『ビデオゲームアンソロジー』シリーズなども手がけています。

1983年には、コンピュータ出版以外の事業として「マイコンソフトウェア開発室」を設立し、当時主流だった国産パソコン向けのソフトウェア開発を始めました。ナムコ、データイースト、セガなど、著名なゲームソフトメーカーのタイトルを数多く移植・販売しました。『マッピー』『ゼビウス』『ドルアーガの塔』『バーガータイム』『バーニン'ラバー』『スペースハリアー』など、多くの名作ゲームが電波新聞社を通じて多くのユーザーに届けられました。

1991年に独立したマイコンソフトは、2018年に電波新聞社に吸収合併され、「株式会社電波新聞社マイコンソフト事業部」として、パソコンやテレビゲーム機器の映像関連周辺機器の販売を継続しています。

充実した歴史とグローバル展開

電波新聞社は、創立以来、数多くの出版物を発行し、日本のエレクトロニクス業界の発展に貢献してきました。1962年には『電波新聞』を日刊化し、朝日新聞販売店を通じて全国への配布を開始。1971年には東京本社の新社屋が完成しました。海外展開にも積極的に取り組み、米国、ドイツ、マレーシア、香港、台湾、韓国、フィリピンなどに支局や現地法人を設立しています。

現在も『日刊電波新聞』や『電子工作マガジン』などの出版物を発行し、日本のエレクトロニクス業界の情報を発信し続けています。熊本朝日放送への出資など、メディア分野以外への事業展開も行っています。電波新聞社の歴史は、日本のエレクトロニクス業界の歴史と深く結びついていると言えるでしょう。

脚注

（脚注の情報は省略）

関連項目

マイコンソフト（現・マイコンソフト事業部）
熊本朝日放送
電子工作の歴史

外部リンク

電波新聞社公式サイト
電波新聞デジタル
電波新聞70周年特集
電波新聞公式Twitter
電波新聞公式インスタグラム
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電波新聞社 - メディア芸術データベース

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