静狩駅

静狩駅

北海道山越郡長万部町字静狩に位置する静狩駅（しずかりえき）は、北海道旅客鉄道（JR北海道）の室蘭本線に属する駅です。駅番号はH46が付与されており、電報略号は「シツ」、事務管理コードは▲140302となっています。

歴史

静狩駅の歴史は、大正時代にさかのぼります。1923年（大正12年）12月10日、鉄道省が敷設した長輪線の長万部駅から静狩駅までの区間が開通した際に、一般駅として開設されました。

その後、路線の名称は変更されます。1925年（大正14年）8月20日には、この区間が長輪西線と呼ばれるようになりました。さらに1928年（昭和3年）9月10日には、静狩駅から長輪東線の伊達紋別駅までの延伸が開通。これに伴い、長輪東線と長輪西線が統合され、再び長輪線という名称に戻り、静狩駅もその一部となりました。

1931年（昭和6年）4月1日には、長輪線が室蘭本線に編入されることになり、静狩駅も室蘭本線の駅として位置づけられました。

昭和後期にかけて、駅の取扱業務は縮小されていきます。1972年（昭和47年）3月15日には貨物取扱が廃止され、続いて1984年（昭和59年）2月1日には荷物取扱も終了しました。そして、1986年（昭和61年）11月1日には無人駅となり、駅員による窓口業務などは行われなくなりました。

国鉄分割民営化に伴い、1987年（昭和62年）4月1日からはJR北海道へと運営が引き継がれています。駅舎については、正確な時期は明らかではありませんが、外壁などが改修されています。

駅名の由来

駅名の「静狩」は、所在地名から採用されています。この地名は、アイヌ語の「シㇼトゥカリ（sir-tukari）」に由来すると考えられています。「シㇼ」は「山」、「トゥカリ」は「手前」を意味し、全体で「山の・手前」となります。これは、長万部方面から海岸線沿いに北上してきた際に、この場所で礼文華（れぶんげ）の山塊に進路を阻まれるような地形的な状況を表していると言われています。

駅構造

静狩駅は地上駅であり、現在、単式ホームが2面と、線路が2線配置されています。かつては、単式ホームと島式ホームを組み合わせた合計2面3線の構造を持っていました。しかし、島式ホームのうち駅舎側にあった中線（側線として扱われることが多かった）は、2023年（令和5年）3月頃に廃止され、本線との接続ポイントも撤去されています。現在残るホーム間は、利用者が線路を渡る構内踏切によって連絡されています。

駅自体は長万部駅によって管理されている無人駅ですが、有人駅として機能していた時代の木造駅舎が現存しています。この駅舎は南側（海側）の単式ホームに面しています。建物自体は改築されていませんが、前述のように外壁などは改修工事が行われ、その姿を保っています。

利用状況

静狩駅の乗車人員や乗降人員に関する詳細な数値については、公式に発表されている情報などを参照する必要があります。年間の値から算出した1日平均や、特定の調査日に基づく平均値が示されることがありますが、具体的な数値の記載はこの情報には含まれていません。

駅周辺

駅周辺には、静狩の集落が広がっています。主要な交通路である国道37号が近くを通り、生活関連施設として八雲警察署静狩駐在所や静狩郵便局（集配業務は長万部郵便局が担当）があります。また、地元の教育機関として静狩小学校が立地しています。

自然環境も豊かで、駅のすぐ近くには内浦湾が広がり、海岸線には礼文華の奇岩や、特定の条件下で音を発するという静狩鳴き砂海岸があります。静狩漁港も地域産業の拠点として存在します。

地域の交流施設として静狩振興会館、インフラとして静狩浄水場があり、レクリエーション施設としてゲートボール場なども見られます。

隣の駅

JR北海道室蘭本線における静狩駅の隣駅は以下の通りです。

長万部駅 (H47) - (旭浜駅 - 廃駅) - 静狩駅 (H46) - (小幌駅 (H45) - 一部列車は通過) - 礼文駅 (H44)

※旭浜駅は廃止された駅です。
※小幌駅は、一部の普通列車が停車しない通過駅となっています。

その他

静狩駅は、映画「しあわせのパン」（2012年公開）において、「有珠駅」として登場したことでも知られています。

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