有珠駅

有珠駅

有珠駅（うすえき）は、北海道伊達市有珠町にある北海道旅客鉄道（JR北海道）室蘭本線の駅です。駅には駅番号H40が付与されており、電報略号はウスが使用されています。

歴史

当駅は、1928年（昭和3年）9月10日に鉄道省の長輪線が静狩駅と伊達紋別駅の間で開通した際に、一般駅として開業しました。その後、1931年（昭和6年）4月1日には長輪線が室蘭本線に組み入れられ、当駅も室蘭本線の所属となりました。

昭和時代半ばには、鉄道による貨物輸送の縮小が進み、1962年（昭和37年）1月15日には貨物の取扱が廃止されました。さらに1980年（昭和55年）5月15日には荷物の取扱も終了し、同時に駅員の配置がなくなり無人駅化されました（一部業務は簡易委託）。

国鉄の分割民営化に伴い、1987年（昭和62年）4月1日からはJR北海道の駅として運営が引き継がれています。平成元年である1989年には駅舎が改築されました。その後の具体的な時期は不明ですが、簡易委託も終了し、現在は完全に無人駅となっています。

駅名の由来

駅名はその所在地である有珠町に由来しています。地名「有珠」はアイヌ語に起源を持つとされており、「ウシ・コロ・オタン」（湾頭にある沼）の中の「ウシ」の部分、あるいは単に「ウシ」（湾）に由来するという二つの説が存在します。

駅構造

地上駅であり、単式ホームが2面配置され、線路は2本を有しています。過去には2面3線という構造でしたが、中央にあった線路（旧2番線）は長万部方面への線路が撤去され、車両を留置するための横取線に変更されています。駅舎に面した西側（海側）ホームの中央部と、反対側のホームの南側を結ぶ形で構内踏切が設けられています。かつて2面3線であった頃の配線は、長和駅の配線と左右を反転させるとほぼ同じだったと言われています。

現在は伊達紋別駅が管理する無人駅となっています。有人駅時代に建てられた駅舎は改築されており、内部は化粧梁やレトロな雰囲気の照明器具が使用されています。外観は中央部の合掌部分に採光窓が配されたシンメトリーデザインが特徴です。駅舎内部にはトイレも備わっています。

当駅は室蘭本線において、隣の洞爺駅までの区間が単線、そして当駅から長和駅までの区間が複線となる区間の境界に位置しています。

のりば

詳細な番線表記はありませんが、基本的にそれぞれのホームで上り（長万部方面）と下り（室蘭方面）の列車が発着します。

利用状況

過去のデータによると、1981年度（昭和56年度）の1日あたりの平均乗降人員は147人でした。また、1992年度（平成4年度）の1日あたりの平均乗降人員は154人であり、この期間における利用客数に大きな変動は見られません。その後の詳細なデータは公開されていません。

駅周辺

駅の近くには国道37号が通っています。周辺には伊達警察署の有珠駐在所や有珠郵便局、いぶり噴火湾漁業協同組合の有珠支所などの公共施設や事業所があります。駅と国道を結ぶ北海道道386号有珠停車場線も整備されています。

自然や観光スポットとしては、駅から北東へ約3kmの場所に有珠山があります。ただし、当駅は山の麓に位置しているため、駅からは山容をよく見ることができません。駅から北西へ約1.5kmの距離には有珠善光寺があり、駅裏手の岩には案内が記されています。その他、バチェラー夫妻記念堂や、海岸線の美しい恋人海岸、夏期に賑わう有珠海水浴場なども周辺に点在しています。

バス路線

駅前の国道37号沿いには道南バスの「有珠駅前」停留所が設置されています。この停留所からは、洞爺駅、洞爺湖温泉、豊浦しおさい方面、および伊達駅前、室蘭港フェリーターミナル方面へのバス路線が利用可能です。

隣の駅

北海道旅客鉄道（JR北海道）
■ 室蘭本線
洞爺駅 (H41) - （北入江信号場） - 有珠駅 (H40) - 長和駅 (H39)

※隣の洞爺駅との間には北入江信号場があります。

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