飯塚幸三

飯塚 幸三について

飯塚幸三（いいづかこうぞう、1931年6月1日生）は日本の著名な研究者で、計量学の専門家です。彼は東京大学で工学博士号を取得し、通商産業省で技官として活躍しました。飯塚氏は特に、測定器誤差と形状誤差を分離するマルチステップ法の開発で知られています。この手法は真円度や円筒度の測定に用いられ、計測の精度向上に寄与しています。彼は国際度量衡委員会において日本人初の副委員長を務め、その間に世界計量記念日を提唱しました。国際計測連合（IMEKO）では会長としても活動しており、その影響力は国際的に認知されています。

生い立ちと教育

東京府（現・東京都中野区）で1931年に生まれた飯塚は、若い頃から理科に興味を持ち、東京府立第四中学校、旧制浦和高等学校を経て東京大学に進学しました。大学では工学部の応用物理学科に専攻し、クラリネットの奏者としてオーケストラにも関わりました。卒業研究では、光学のテーマに取り組みました。

研究キャリア

1953年に東京大学を卒業後、計量研究所に就職しました。ここでは硬さ標準に関する研究を行い、特にショア硬さについて重要な実験を行いました。1958年から1959年の間、イギリス国立物理学研究所（NPL）での研究を経て、国際計測連合（IMEKO）に参加し、国際的な立場での活動を開始しました。

1972年には博士論文を提出し、形状誤差の研究を行い、多くの成果を上げます。飯塚氏は後藤充夫と共に真円度測定や円筒形状測定に貢献し、計測器誤差と形状誤差を分離するマルチステップ法を確立しました。

行政と経営

1986年には工業技術院の院長に就任し、基礎研究の重要性を提唱しました。新エネルギー・産業技術総合開発機構の改組を支援し、さまざまな国際共同研究プログラムを推進しました。89年に退官後は、機械振興協会の副会長として活動し、さらに技術開発本部を設立したクボタで重要な役職を歴任しました。

社会的貢献

飯塚氏は学術団体や国際的な協会でも活躍し、計測自動制御学会の会長や日本計量振興協会の会長を務めるなど、計測の国際標準化に多大な貢献をしました。特に、計量議論の場においては重要な発言者として知られ、計量の歴史や標準化に関する講演も数多く行っています。

事故とその影響

しかし、彼のキャリアは2019年に発生した池袋暴走事故によって一転します。この事故では、飯塚氏の運転する車によって母子が亡くなるという悲劇が発生しました。彼はその後、禁錮5年の実刑判決を受け、勲章を剥奪されました。この出来事は、彼が築いてきた名声や功績に影を落とし、多くの人々の関心を引いています。

まとめ

飯塚幸三は計量学の分野で数々の業績を残した重要な研究者であり、彼の影響力は国際的に広がっていますが、最近の事故によって彼の人生とキャリアは大きな転機を迎えています。彼の研究や社会への貢献は今後も語り継がれる一方で、その行動には厳しい目が向けられています。

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