さつま号

さつま号（大阪 - 鹿児島間 夜行高速バス）

かつて大阪府大阪市と鹿児島県鹿児島市を結んでいた夜行高速バス「さつま号」。全便座席指定制で予約が必要なこの路線は、航空路線やツアーバスとの競争に加え、山陽・九州新幹線の直通運転開始により利用者が減少し、2012年9月30日をもって運行を休止、2013年5月末に正式に廃止されました。

概要

運行会社: 阪急観光バス・南国交通
便数: 1日1往復（両社が隔日運行）

沿革

1990年3月22日 - 運行開始。当初は中国自動車道経由。
1997年 - 山陽自動車道全通に伴い、同道経由に変更。
2003年 - 大阪側の運行会社を阪急バスから阪急観光バスに移管。
2009年6月1日 - 鹿児島側の発着バス停を、南国日生ビルの建て替えに伴い変更。
2011年2月25日 - 大阪発鹿児島行きの南国交通便でバスジャック事件が発生。乗客の大学生が運転席のハンドルを奪い、車両が横転。納入されたばかりの新車が事故に遭うという痛ましい出来事でした。
2012年4月23日 - 南国交通鹿児島中央駅前バスセンターの開業に伴い、鹿児島側の発着バス停を変更。
2012年8月16日 - 南国交通・阪急観光バス両社が2012年9月30日での運行休止を発表。
2012年9月30日 - 運行休止。22年半の歴史に幕。
2013年6月1日 - 正式に廃止。

運行経路・停車停留所

太字は停車停留所。西宮北インター以東、鹿児島空港南以南のみの利用は不可でした。

大阪梅田（阪急三番街高速バスターミナル） - （国道423号新御堂筋） - 新大阪（阪急バスセンター） - 千里ニュータウン（桃山台駅） - 千里中央 - （大阪府道2号大阪中央環状線） - 中国池田IC - （中国自動車道） - 宝塚インター - 西宮北インター - (山陽自動車道・広島岩国道路・山陽自動車道・中国自動車道・関門橋・九州自動車道） - 鹿児島空港南 - 鹿児島IC - 天文館 - 鹿児島中央駅

鹿児島行きは山陽道龍野西SAと九州道溝辺PA、大阪行きは九州道北熊本SAと山陽道三木SAでそれぞれ休憩。
2011年頃まで淡河バスストップも停留所でしたが、利用客が少なく停車頻度は高くありませんでした。

運行車両・車内設備

阪急観光バスは、主に日野セレガADG-RU1ESAA、三菱ふそうエアロクィーンIKL-MS86MP、三菱ふそうエアロクィーンI（西工ネオロイヤルSD-II)）KL-MS86MP改が使用されましたが、晩年は日野セレガが中心でした。

南国交通は、三菱ふそうエアロエース・LKG-MS96VP、三菱ふそうエアロクィーンI・PJ-MS86JP、または日野・セレガKL-RU1FSEAが使用され、福岡線「桜島号」と共通運用されていました。南国交通のエアロエースは導入直後にバスジャック事件で廃車となり、代替として新たなエアロエースが導入されています。事故車両は修復後、武元重機を経てサンシャインエクスプレスに転出しています。

車内設備は以下の通りです。

3列独立シート
テレビ・ビデオ・ラジオ
トイレ
毛布
おしぼり・飲み物（コーヒー・お茶。阪急観光バス便には冷たいパックの飲み物もあり）
阪急観光バス便の一部（セレガなど）には、通路側仕切りカーテンと座席コンセントが設置。

補足

関連項目：

トロピカル号 (大阪 - 鹿児島線): 近鉄バスが運行していた大阪と鹿児島を結ぶ夜行高速バス路線（こちらも2016年9月末で運行休止）。
* さつま号 (八代 - 川内線): かつて熊本県八代市と鹿児島県川内市を結んでいた快速バス。当初はこちらの路線で「さつま号」の愛称が使われていました。

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