アル・マディーナ級フリゲート

アル・マディーナ級フリゲート

アル・マディーナ級フリゲート（Al Madinah-class frigate）は、サウジアラビア海軍に配備されているフリゲート艦艇の一つで、F-2000S型とも呼ばれています。この艦級は、1980年10月に発注されたサワリ計画に基づき開発され、海軍の装備供給の一環としてアメリカからフランスへの移行が見られました。ネームシップは1981年にフランスのDCNロリアン工廠で起工されました。

来歴

1980年代初頭、サウジアラビアの防衛力強化を目的としたサワリ計画が進められ、最終的に4隻のフリゲートが発注されたのです。その後、1994年にはムエット計画を通じてフランスに対して艦艇の近代化改修も行われ、1995年から2000年までに全艦が改修を完了しました。この改修により、艦艇の capabilities は大幅に向上しました。

設計

本級のデザインは、平甲板型を基本にしつつ、艦尾に切り欠きがある長船首楼型が採用されています。抗堪性を考慮し、艦体は13の水密区画に分かれており、NBC防護も意識したシタデル構造が導入されています。さらに、航行中の安定性を確保するために、隠顕式のフィンスタビライザーが設置されています。改修時にはNBC防護がさらに強化されています。

本級の主機関には、V型16気筒のSEMT ピルスティク16PA6 280V BTCを4基搭載し、2軸の可変ピッチ・プロペラを利用して推進力を得ています。また、発電用に480キロワット及び320キロワットのディーゼル発電機をそれぞれ4基と2基備えています。

装備

アル・マディーナ級の戦闘システムでは、戦術情報処理装置のTAVITACが中心的役割を果たしています。これにより、艦艇は高度な戦術データリンク機能を持ち、戦場における優位性を確保します。主なセンサーには、Sバンドのシータイガー対空・対水上捜索レーダーが搭載され、110 km 先の目標を探知する能力があります。加えて、艦底にはディオドンソナーが装備され、艦尾甲板に可変深度ソナー版のソレルも備えています。

武器システム

武器体系としては、艦橋前方に100mmの単装速射砲が設置されており、火力支援を行います。同時に、40mmの連装機銃が艦の両脇に配置されています。個艦防空用のミサイルとしては、クロタルEDIRの8連装発射機が携帯されており、最大26発のミサイルを搭載します。

また、艦対艦ミサイルのオトマートMk.2も搭載されており、これにはヘリコプターによる誘導が可能なERATO機能が含まれています。本級の艦載機として、AS.365汎用ヘリコプターが配備され、攻撃任務を支援します。ヘリコプター甲板には、SAMAHE着艦拘束装置もあります。

艦歴

2017年1月30日、アル・マディーナはイエメン西岸の紅海で哨戒任務を行っている際に、フーシ派の攻撃を受けました。この攻撃により艦尾に命中弾があり、艦内に爆発と火災が発生し、数名の乗員が死亡または負傷しました。双方の主張は異なり、フーシ派は対艦ミサイルによる攻撃を述べた一方、サウジアラビアは自爆艇による攻撃と報告しています。

このように、アル・マディーナ級フリゲートは、その設計思想や装備面での先進性、またその歴史においても注目に値する艦艇として位置づけられています。

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