アンダー・マイ・サム

アンダー・マイ・サム：ローリング・ストーンズの不朽の名曲

1966年、ローリング・ストーンズによって世に送り出された楽曲「アンダー・マイ・サム」。ミック・ジャガーとキース・リチャーズによる作詞作曲で、彼らの代表曲の一つとして、現在も高い人気を誇っています。この曲は、1966年発表のアルバム『アフターマス』に収録されましたが、イギリスやアメリカではシングルカットされませんでした。しかし、日本では独自にシングルとしてリリースされ、日本の音楽ファンに広く親しまれることとなります。

この楽曲最大の特徴は、ブライアン・ジョーンズが演奏するマリンバの音色でしょう。独特の雰囲気を醸し出し、曲全体の印象を大きく彩っています。一方で、歌詞の内容については、発表当時から議論を呼びました。「どんな女も俺の言いなり」といった内容と解釈できる歌詞は、女性蔑視的だと批判する声も上がりました。これに対し、ミック・ジャガーは「ジョークであり、特定の女性を指したものではなく、カリカチュアである」と釈明しています。解釈は様々ですが、この歌詞が楽曲の持つ複雑な魅力の一つであることは間違いありません。

「アンダー・マイ・サム」は、ライブでも頻繁に演奏され、ローリング・ストーンズのコンサートにおける定番曲となりました。彼らの精力的なツアー活動において欠かせないレパートリーとして、長年にわたって観客を魅了し続けています。特に有名なのは、1969年12月6日に行われたオルタモント・スピードウェイでのフリーコンサートでしょう。このコンサートは、ヘッズ・エンジェルズが警備にあたっていたことから「オルタモントの悲劇」として知られていますが、「アンダー・マイ・サム」の演奏中に観客がヘルズ・エンジェルズのメンバーに殺害されるという事件が発生しました。この悲劇的な出来事は、ドキュメンタリー映画『ギミー・シェルター』にも記録されており、ローリング・ストーンズの歴史において重要な出来事として記憶されています。

数々のライブアルバムにも収録されており、その人気と歴史的価値の高さが伺えます。『ガット・ライヴ・イフ・ユー・ウォント・イット!』（1966年）、『スティル・ライフ』（1982年）、『ゲット・ヤー・ヤ・ヤズ・アウト（40周年記念エディション）』（2009年）など、様々な公式ライブアルバムに収録され、ライブパフォーマンスの質の高さが評価されてきました。

また、「アンダー・マイ・サム」は多くのアーティストによってカバーされており、その音楽的影響力の大きさを示しています。ザ・フーは1967年にシングル「ラスト・タイム」のB面に収録し、ミック・ジャガー、キース・リチャーズ、ブライアン・ジョーンズの3人が逮捕された際に、彼らを支援する目的でカバーしました。この時A面にもストーンズの曲が選ばれているというエピソードも興味深いです。その他にも、デル・シャノン、ウェイン・ギブソン、ブラインド・フェイス、ティナ・ターナー、ブームタウン・ラッツ、ザ・タイガース、ルースターズなど、様々なアーティストがそれぞれの解釈でこの曲をカバーし、独自の表現で新たな魅力を生み出しています。

このように、「アンダー・マイ・サム」は、発表から半世紀以上経った現在も、音楽ファンから高い支持を集めるローリング・ストーンズの代表曲です。その独特のサウンド、歌詞の内容、そしてオルタモントの悲劇など、様々な要素が絡み合い、この曲を伝説的な楽曲へと押し上げています。 数々のコンピレーション・アルバムにも収録され続けていることからも、その不朽の名曲としての地位が確固たるものとして認められているといえるでしょう。

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