イエス (バンド)

イエス (Yes)

イエス（Yes）は、イングランド出身のロックバンドで、1969年に結成され、プログレッシブ・ロックの先駆者として広く知られています。このグループは、出発から現在に至るまで、数々のアルバムと名曲を生み出し、音楽シーンに多大な影響を与えてきました。特に『こわれもの』（1971年）、『危機』（1972年）、『ロンリー・ハート』（1983年）などの作品が有名で、これらは今なお多くのファンに愛されています。イエスは1985年にグラミー賞を受賞し、2017年には「ロックの殿堂」にも入る栄誉を手にしました。

バンドの発展と変遷

イエスの結成時、主要なメンバーとなったのは、ジョン・アンダーソン（ボーカル）、クリス・スクワイア（ベース）、ピーター・バンクス（ギター）、ビル・ブルーフォード（ドラム）、トニー・ケイ（キーボード）でした。彼らは1968年4月にロンドンで初めてのライブを行い、その後、メンバーを増やしながら活動を拡大しました。

デビューアルバム『イエス・ファースト・アルバム』は1969年にリリースされましたが、当初はプログレッシブ・ロックとは言えないスタイルの音楽を演奏していました。しかし、アルバム『時間と言葉』ではオーケストラとの共演を果たすなど、よりアート・ロック的な方向性を追求しました。

1970年代に入り、バンドは音楽性の変化を迎えました。特に『こわれもの』では、メンバーのソロ作品も取り入れた構成が評価されましたし、代表曲「ラウンドアバウト」もこのアルバムに収められています。さらに、次作『危機』では全3曲から成るトータル・コンセプト・アルバムとして世に送り出され、プログレッシブ・ロックの名盤として地位を確立しました。

様々なメンバーの加入と脱退

イエスのメンバーは頻繁に入れ替わりがありました。ピーター・バンクスの後任としてスティーヴ・ハウが加入し、リック・ウェイクマンが参加することで音楽の幅が広がり、アルバム『海洋地形学の物語』では大作志向の作品が展開されました。しかし、リック・ウェイクマンはその後のツアーでの演奏に飽きて脱退し、アルバム『リレイヤー』は彼の穴を埋める新しいメンバーを迎えた作品になりました。

1980年代にイエスは一時的に活動を停止しましたが、その後再結成し、アルバム『ロンリー・ハート』をリリース。シングル「ロンリー・ハート」は全米で1位を獲得し、バンドは再び注目を集めました。これに続いて1987年に発表された『ビッグ・ジェネレイター』も話題を呼びました。

現在までの活動

2000年代に入ると、メンバーの脱退や新しいメンバーの加入を繰り返しながらも、イエスは新作をリリースし続けてきました。2021年には、7年ぶりのスタジオアルバム『ザ・クエスト』を発表し、バンドの新しい章を切り開きました。現在も活動を続け、ライブツアーを全国各地で行っています。イエスは多くのファンに支えられながら、プログレッシブ・ロックの偉大な名作を次代に残し続けています。

もう一度検索