インドの政党

インドの政党システムの変遷と主な政党の概要

インドの政党システムは、1947年の独立以来、大きな変化を遂げてきました。初期には、インド国民会議が一党優位の体制を築きましたが、1977年にジャナタ党が圧勝し、初めて非国民会議派の政権が樹立されました。このような劇的な変化は、インドの政治ランドスケープにおける重要なポイントです。

政党システムの発展

ジャナタ党の政府は、内部対立と国民会議からの分裂工作により1980年に崩壊しました。その後1980年代は、国民会議派の支配が続きました。しかし、1989年に改革を掲げたジャナタ・ダルが結成され、その中にはジャナタ党の残存勢力や国民会議派を離脱したメンバーも含まれていました。インド人民党（BJP）との連携を通じて再び非国民会議派の政権が誕生しましたが、内部の対立や国民会議派の介入もあって1991年の総選挙では国民会議派が政権を取り戻しました。

次第に、1996年の総選挙では、主要な政党がいずれも過半数を獲得できず、三つ巴の連立政治が顕著となりました。この状況で、インド人民党が他党と連携し、1998年には過半数を達成する連立政権を樹立しました。この連立政権は、核実験の実施などの政策転換を実現し、国民民主同盟（NDA）のもとでの一党優位政党制に回帰しました。

しかし、2004年の総選挙では予想を覆し、国民会議派が第一党となり、統一進歩同盟（UPA）を結成して政権を持つこととなりました。これによって、インドの政治状況は二大ブロック制にシフトしました。その後も、少数派政党との連携試みやハング・パーラメントの状態が続いています。

現在の政党構成

インドの政党は、ローク・サバーという小選挙区制において、多種多様な勢力が支持を集めています。主な政党を以下にまとめてみます。

インド国民会議系

• - インド国民会議 - 国民会議派の主な政党で、長い歴史を持つ。
• - 国民会議党 - インド国民会議とは異なる政党。
• - 全インド草の根会議派 - トリナムール会議派として知られています。

ヒンドゥー至上主義系

• - インド人民党（BJP） - 現在の政府の主導政党。
• - シヴ・セーナー - ヒンドゥー至上主義を基にした政党。

ジャナタ・ダル系

• - ジャナタ・ダル（統一派） - 法案や政策において影響力がある。
• - サマジワディ党 - 社会主義に対するアプローチを持ちます。

左翼系

• - インド共産党 - 多数の分派が存在し、それぞれの方針が異なります。

地域主義系

• - テルグ・デサム党 - テルグ地域で影響力を持つ。
• - 全インド・アンナー・ドラーヴィダ進歩党 - 特に南インドで支持されています。

多党制の特徴

インドの政党システムは、37もの政党が議席を獲得するなど、分極的多党制への傾向が見られます。にもかかわらず、多くの政党が政権参加を目指し、穏健な多党制であるとの見方もあります。地域に根ざした支持基盤を持つ多くの政党が存在することが、インドの政治事情を複雑にしています。

このように、インドの政党システムは歴史的な変遷を経て現在に至っており、各政党が持つ特徴や地域ごとの支持により、常に進化を続けています。その変化を理解することは、インドの政治を把握するために重要です。

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