ウィーン国際空港
ウィーン国際空港
ウィーン国際空港（Flughafen Wien-Schwechat）は、オーストリアの首都ウィーンの南東18kmに位置する、ニーダーエスターライヒ州シュヴェヒャートにある国際空港です。ウィーン近郊だけでなく、スロバキアの首都ブラチスラヴァからも約49kmと近く、地理的に重要な場所にあります。オーストリア航空グループの拠点空港であり、歴史的に東西陣営を結ぶハブ空港としての役割を果たしてきました。現在でも、旅客数の約3割が東欧や中東方面への乗り継ぎ客となっています。2019年の旅客数は3166万人で、ヨーロッパの空港の中で14位にランクインしています。
歴史
1938年5月14日、ドイツ空軍のシュヴェヒャート基地として開設されました。当初は第5戦闘航空兵学校が併設され、1942年にはハインケルの工場が建設され、He 219やHe 162といった航空機が製造されました。第二次世界大戦中の1944年には強制収容所も設置され、収容者はハインケルの工場などで労働を強いられました。終戦後、ウィーン近郊はソ連の占領地区となりましたが、シュヴェヒャート基地はイギリス軍に接収され、英国欧州航空による定期便が開始されました。
1953年12月11日、オーストリア政府（50%）とウィーン州政府・ニーダーエスターライヒ州政府（各25%）の出資により空港運営会社（現在のFlughafen Wien AG）が設立され、1954年1月1日から運営が移管されました。当初はアスペルン飛行場に代わる空港として利用されましたが、2000mの滑走路が1本しかなく、1959年に3000mに延長されました。1962年に新滑走路の計画が開始され、1972年に認可、1977年10月6日に3600mの新滑走路（16/34）が供用開始されました。1982年には高速道路A4（欧州自動車道路）が接続され、空港へのアクセスが向上しました。しかし、1985年12月27日には、アブ・ニダル率いるゲリラ組織によるテロ事件が発生し、エル・アル航空のチェックインカウンターに手榴弾が投げ込まれ、41名の死傷者を出すという悲劇も起きています。
施設
滑走路
東西方向（11/29, 3500m）と南北方向（16/34, 3600m）の2本の滑走路があります。現在、11/29滑走路の南側に3680mの平行滑走路を建設する計画があります。
管制塔
2005年9月に完成した管制塔は、Zechner & Zechner Ziviltechniker GmbHによる設計で、頂部が基部に対して45度回転した特徴的な構造をしています。高さは109mとヨーロッパで最も高い管制塔の一つです。
ターミナル
2012年6月以降、旅客向けの案内は「ターミナル」の名称ではなく、「チェックイン1」のようにチェックインカウンターの所在で案内されています。
- - ターミナル1
- - ターミナル1A
- - ターミナル2
2012年6月5日に供用開始された建物で、チェックイン3があります。オーストリア航空をはじめとするスターアライアンス加盟各社が利用しています。
- - VIPターミナル
コンコース
- - コンコースD
- - コンコースB
- - コンコースC
- - コンコースF
- - コンコースG
アクセス
ウィーンSバーンのS7線が接続しており、ウィーン・ミッテ駅から途中7駅に停車し、約25分で到着します。直通特急シティ・エアポート・トレインも運行しており、所要時間は16分です。いずれも1時間あたり2本が運行されています。将来的にS70線が接続する計画があるほか、地下鉄U3線の延長も検討されています。
ウィーンおよびその近郊からはÖBBポストバスが運行されており、隣国スロバキアの首都ブラチスラヴァからも連絡バスが運行されています。
就航路線
旅客便はターミナル1、1A、3から発着しており、貨物便も取り扱っています。
関連項目
オーストリアの空港の一覧
外部リンク
公式ウェブサイト(ドイツ語、英語、チェコ語、スロバキア語、ハンガリー語)
スロバキア・ラインズ株式会社(英語) ÖBBポストバスとブラチスラヴァ間連絡バスを共同運行
VOLÁNBUSZ ブダペストへの空港経由都市間バス。
* 地図 - Google マップ
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