ウエルホサウルス

ウエルホサウルス（Wuerhosaurus）

ウエルホサウルスは、白亜紀前期（約1億4500万年前から1億年前）に現在の中国に生息していた剣竜類に属する恐竜です。剣竜類の多くはジュラ紀後期に生息していたため、ウエルホサウルスは知られている限りでは最も新しい時代に生息した剣竜類の一つとされています。

発見と種

タイプ種であるWuerhosaurus homheniは、1973年に中国西部、新疆ウイグル自治区のトゥグル層群で発見され、董枝明によって記載されました。属名は発見地のウルホ区に由来します。

ホロタイプ標本IVPP V.4006は頭骨を欠く断片的な骨格で、パラタイプ標本IVPP V4007は別の個体の3つの尾椎で構成されています。

1993年には、同じく董枝明によって、内モンゴル自治区オルドス盆地のエジンホロ累層で発見された小型の種W. ordosensisが記載されました。この種は1988年に発見された頭骨を欠く部分的な骨格IVPP V6877に基づいています。

2008年、Susannah Maidmentらはウエルホサウルスをステゴサウルスのシノニムとみなし、タイプ種であるW. homheniをStegosaurus homheni、第2の種であるW. ordosensisを疑問名（nomen dubium）としました。しかし、この見解には議論があります。

分布

W. homheni: トゥグル層群
W. ordosensis: エジンホロ累層

特徴

Wuerhosaurus homheni は、幅の広い体型をしていたと考えられています。グレゴリー・ポールによる2010年の推定では、体長は約7メートル、体重は約4トンとされています。化石が断片的であるため、完全な復元は困難です。当初、背中のプレートはステゴサウルスのものよりも丸いか平らかと考えられていましたが、Maidmentはこれが化石の破損による錯覚であると指摘しています。実際のプレートの形状はまだ不明です。W. homheniは、腸骨の前方が大きく外側に広がった骨盤を持っており、これは胴体の幅が広かったことを示唆しています。また、尾の付け根の神経棘が非常に高いことも特徴です。

W. ordosensis は、ポールによる推定で体長約5メートル、体重約1.3トンとされています。骨盤は広いものの、神経棘は比較的短く、頸部は比較的長いという特徴があります。

生態

ウエルホサウルスは、他の剣竜類よりも低い姿勢をとっていたと考えられています。これは、より低い位置にある植物を食べるための適応であると考えられています。他の剣竜類と同様に、尾の先にはサゴマイザー（尾の棘）があったと考えられており、自己防衛に使用された可能性があります。1本の棘の化石が発見されており、董枝明によれば、これは肩に配置されていたようです。

参考文献

Dong Zhiming (1992). Dinosaurian Faunas of China. China Ocean Press, Beijing. ISBN 3-540-52084-8

外部リンク

Wuerhosaurus at Thescelosaurus!

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