ウーディネ極東映画祭

ウーディネ極東映画祭（Far East Film Festival）とは

ウーディネ極東映画祭（Far East Film Festival、略称FEFF）は、イタリア北東部の都市ウーディネで毎年開催される、アジア映画に特化した国際映画祭です。1999年の第1回開催以来、東アジアおよび東南アジアで製作された映画に焦点を当て、多様な作品を紹介し続けています。

映画祭の概要

FEFFは、毎年4月末に開催され、アジア各国の最新映画作品をメインに上映します。また、過去の重要な作品や、特定の監督、テーマに焦点を当てた特集上映も行われ、アジア映画の歴史と多様性を深く掘り下げています。

2002年には、日本のピンク映画の若手監督たちにスポットを当てた「ウーディネP-1グランプリ」を開催し、話題を呼びました。2010年には、香港の映画作家である龍剛の特集上映や、かつて存在した日本の映画会社・新東宝の作品を上映する「新東宝回顧」が行われ、映画ファンから高い評価を得ました。

映画祭の賞

FEFFでは、様々な賞が授与されます。

観客賞（Audience Mulberry Award）: 観客の投票によって選ばれる賞で、ゴールデン・マルベリー、シルバー・マルベリー、クリスタル・マルベリーがあります。
ホワイト・マルベリー賞（White Mulberry Award for best Debut Film）: 審査員によって選出される、最も優れたデビュー作品に贈られる賞です。
ブラック・ドラゴン賞（Black Dragon Award）: 批評家によって選出される賞で、ブラック・マルベリーとも呼ばれます。
パープル・マルベリー賞（Purple Mulberry Award）: ウェブ投票によって選ばれる賞です。
生涯功労賞（Golden Mulberry Award for Lifetime Achievement）: アジア映画界への貢献が顕著な人物に贈られる賞です。
アウトスタンディング・アチーブメント賞（Golden Mulberry Award for Outstanding Achievement）

日本人受賞者

多くの日本人監督や俳優、映画関係者がFEFFで受賞しています。

観客賞（ゴールデン・マルベリー）受賞者

2004年：山田洋次監督『たそがれ清兵衛』
2008年：小泉徳宏監督『ガチ☆ボーイ』
2009年：滝田洋二郎監督『おくりびと』
2014年：山崎貴監督『永遠の0』
2017年：荻上直子監督『彼らが本気で編むときは、』
2021年：内田英治監督『ミッドナイトスワン』

生涯功労賞受賞者

2015年：久石譲（作曲家）
2016年：大林宣彦（映画監督）
2022年：北野武（映画監督）
2023年：倍賞千恵子（女優）

ブラック・ドラゴン賞受賞者

2024年：白石和彌監督『碁盤斬り』

特集上映

FEFFでは、毎年様々なテーマで特集上映が行われています。

周星馳（2000年、香港）
日本のピンク映画（2002年）
梁柏堅（2002年、香港）
中華アニメ（2002年、中国、香港、台湾）
韓国映画の60年代（2003年、韓国）
石井輝男（2003年、日本）
楚原（2004年、香港）
市川準（2004年、日本）
日活アクション（2005年、日本）
アジアは歌う（2006年、ミュージカル映画）
井上梅次（2006年、日本）
譚家明（2007年、香港）
申相玉初期作品（2008年、韓国）
三木聡（2008年、日本）
アン・ホイのテレビ映画（2009年、香港）
龍剛（2010年、香港）
新東宝回顧（2010年、日本）

ウーディネP-1グランプリ上映作品（2002年）

『セックス・フレンド 濡れざかり』 監督：坂本礼
『ぐしょ濡れ人妻教師 制服で抱いて』 監督：いまおかしんじ
『悶絶大回転 ひと晩に何回でも』 監督：榎本敏郎
『あぶない情事 獣のしたたり』 監督：鎌田義孝
『一週間 愛欲日記』 監督：小林政広
『OLの愛汁 ラブジュース』 監督：田尻裕司
『白衣と人妻 したがる兄嫁』 監督：上野俊哉
『不倫妻 情炎』 監督：女池充

新東宝回顧上映作品（2010年）

『黒線地帯』 監督：石井輝男
『女巖窟王』 監督：小野田嘉幹
『女死刑囚の脱獄』 監督：中川信夫
『女奴隷船』 監督：小野田嘉幹
『女体桟橋』 監督：石井輝男
『怪猫お玉が池』 監督：石川義寛
『東海道四谷怪談』 監督：中川信夫
『海女の化物屋敷』 監督：曲谷守平
『地平線がぎらぎらっ』 監督：土居通芳
『女王蜂と大学の竜』 監督：石井輝男
『女真珠王の復讐』 監督：志村敏夫
『九十九本目の生娘』 監督：曲谷守平
『花嫁吸血魔』 監督：並木鏡太郎
『女体渦巻島』 監督：石井輝男
* 『黄線地帯 イエローライン』 監督：石井輝男

ウーディネ極東映画祭は、アジア映画の多様性と魅力を世界に発信する重要な拠点として、今後もその役割を果たし続けるでしょう。

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