エドワード (ケント公)

ケント公爵エドワード王子

ケント公爵エドワード王子（全名エドワード・ジョージ・ニコラス・ポール・パトリック）は、1935年10月9日生まれのイギリスの王族です。イギリス女王エリザベス2世の従弟であり、初代ケント公爵ジョージの長男として生まれました。母はギリシャ王家出身のマリナであり、母系の家系では王室との強い結びつきを持っています。エドワード王子は、2023年6月現在、英国王位継承順位41位に位置しています。

経歴

出生

エドワード王子は1935年ロンドンで生まれ、11月20日にバッキンガム宮殿で洗礼を受けました。この洗礼には、ジョージ5世、メアリー・オブ・テック、そして後のエドワード8世などが代父母として関与しました。王室の伝統に従い、エドワード王子は王族としての教育を受けることとなりました。

教育

少年時代、エドワード王子はラドグローブ・プレパラトリー・スクールを経て、名門であるイートン校に進み、その後スイスのル・ロゼで学びました。卒業後は、サンドハースト王立陸軍士官学校に進学し、フランス語の通訳資格を取得しました。

襲爵

1942年、6歳の時に父ジョージが事故で亡くなったことで、エドワードはケント公爵、セント・アンドルーズ伯爵、ダウンパトリック男爵の爵位を継承しました。彼は王族として早期に公務を開始し、1952年の国葬では棺をともに歩く役割を果たしました。また、1953年には従姉エリザベス2世の戴冠式で祝辞を述べるなど、注目を集めました。1959年には貴族院議員となり、1999年まで在職しました。

軍歴

1955年に士官学校を卒業した後、エドワード王子はロイヤルスコッチグレイ連隊に入隊し、香港やキプロスで任務に従事しました。1976年には中佐で除隊し、その後も昇進し1983年には陸軍元帥の地位に達しました。

公務

エドワード王子は、少年時代から女王の代理として様々な公務をこなしてきました。シエラレオネやウガンダなど、かつてのイギリス植民地の独立式典に出席し、日本の皇族とも面会したことがあります。また、貿易産業省の特別代表としても外国での見本市や国際会議に参加しました。特に全英ローンテニス・アンド・クロッケー・クラブの会長としてウィンブルドン選手権の優勝者に盾を授与する役割でも知られています。

フリーメイソン

エドワード王子は1963年にフリーメイソンに加入し、1967年から現在にかけて、イングランド・連合グランドロッジの最も長く在職するグランドマスターを務めています。2013年にはフリーメイソン加入50周年を迎えました。

家族

1961年、エドワード王子はキャサリンと結婚し、4人の子供をもうけました。長男のジョージはセント・アンドルーズ伯爵として知られていますが、カトリックの女性と結婚したために王位継承権を失いました。また、二男のニコラスもカトリックへの改宗により継承権を失っています。

トリビア

エドワード王子の父、ジョージは1936年に名が挙がったことがあり、実際にエドワード8世が退位した場合、後継者となる可能性もあったと言われています。エドワード王子の経歴と家族関係は、イギリス王室の歴史において重要な一翼を担っており、彼の活動は今も多くの人に注目されています。

栄典

エドワード王子は1942年にケント公爵、セント・アンドルーズ伯爵、ダウンパトリック男爵の爵位を受け、その後も様々な勲章を受けています。特に、1960年のロイヤル・ヴィクトリア勲章、1967年の聖マイケル・聖ジョージ勲章、1985年のガーター勲章などがあり、彼の公的な貢献を示しています。

このように、ケント公爵エドワード王子はイギリスの王室において、長年にわたって影響力を持ち続けている人物であり、その存在は多くの人々に敬愛されています。

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