オリヴィエ・ギャルドン

オリヴィエ・ギャルドン (Olivier Gardon)

フランス出身の著名なピアニストであり、指導者としても高い評価を得ている。南仏ニースに生まれ、若くしてその非凡な才能を開花させた。

生涯

7歳で著名なピアニスト、リリー・クラウスに認められたことが、その後の音楽の道を決定づける契機となった。10歳の時には早くもニース・オペラ座の舞台に立ち、ヨハン・セバスチャン・バッハのニ短調協奏曲を演奏している。ニース国立地方音楽院で基礎を学んだ後、師事していたAudibert-Lambert夫人（アルフレッド・コルトー門下）の推薦を受け、音楽教育の最高峰であるパリ国立高等音楽院に進学。ピエール・サンカン教授に師事し、研鑽を積んだ。在学中からその実力は国際的に認められ、ロン＝ティボー国際コンクールでの最高位入賞をはじめ、エリザベート王妃国際音楽コンクールでも上位入賞を果たすなど、輝かしい成績を収めた。同音楽院を複数の首席で卒業後も、ジャン・ファッシナ、アンダ・ゲーザ、リリー・クラウス、シェベーク・ジェルジといった名だたる指導者たちの薫陶を受けた。

活動

演奏活動

1970年代以降、国際的な舞台での演奏活動を展開。ロン＝ティボー国際コンクール最高位（1973年）を皮切りに、エリザベート王妃国際音楽コンクール、ヴィオッティ国際音楽コンクール、リナ・サラ・ガロ国際ピアノコンクール、セニガッリア国際ピアノコンクール、アルフレード＝カッセラ国際ピアノコンクールなど、数々の著名な国際コンクールで受賞歴を持つ。演奏の場は、パリのサル・プレイエル、シャトレ劇場、シャンゼリゼ劇場といった名門ホールから、ロンドンのウィグモアホール、ザルツブルクのザルツブルク祝祭大劇場、ニューヨークのカーネギーホールに至るまで、世界の主要都市に及ぶ。日本でも紀尾井ホールや東京文化会館などで演奏を披露している。

教育活動

演奏家としてのキャリアを確立する一方で、教育活動にも情熱を注いだ。長年にわたりパリ国立地方音楽院で後進の指導にあたり、その指導のもとからロン＝ティボー国際コンクール優勝者をはじめ、数多くの優秀なピアニストが育っている。教育者としての手腕は国際的にも知られ、世界各地でマスタークラスを開催している。フランス国内ではクールシュベルでの夏期講習や南仏ヴァルドブローレ春季音楽講習会（芸術ディレクター）、ニース国立地方音楽院夏期講習（芸術ディレクター）などで指導を行うほか、国外でもザルツブルク音楽祭主催のモーツァルテウム大学夏期国際音楽アカデミー、京都フランス音楽アカデミー、日本の桐朋学園大学や東京日仏学院、韓国の延世大学校など、多岐にわたる教育機関で招聘されている。

その他の活動

演奏・教育活動に加え、ロン＝ティボー国際コンクールやエピナル国際ピアノコンクールなど、ヨーロッパ各地で開催される重要な国際音楽コンクールで頻繁に審査員を務め、若手音楽家の育成と評価にも貢献している。また、音楽書の編集にも携わっており、作曲家ルイ・ヴィエルヌのピアノ作品集のクリティカル・エディションにおいて編集者の一人としてその名を連ねている。

録音

主要なディスコグラフィーには、ルイ・ヴィエルヌのピアノ作品全集、リストのBACH主題による幻想曲とフーガ、ムソルグスキーの展覧会の絵、ベートーヴェンの後期三大ソナタ、アルカンの室内楽曲などが含まれる。これらの録音は、彼の幅広いレパートリーと深い音楽性を伝えている。

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