オルレアンの少女 (オペラ)
『オルレアンの少女』（ロシア語: Орлеанская дева）は、ピョートル・チャイコフスキーが1878年から1879年にかけて作曲した全4幕6場からなるオペラです。この作品は、チャイコフスキー自身が書いたロシア語のリブレットを基にしており、複数の題材が組み合わされています。
リブレットの元となったのは、ヴァシーリー・ジュコーフスキー訳によるフリードリヒ・フォン・シラーの戯曲『オルレアンの少女』、ジュール・バルビエの『ジャンヌ・ダルク』、オーギュスト・メルメの自作オペラのリブレット、そしてアンリ＝アレクサンドル・ワロンによるジャンヌ・ダルクの伝記です。これらの多様な資料を基に、チャイコフスキーは独自の解釈を加え、劇的なオペラを創り上げました。
作品は、指揮者のエドゥアルド・ナープラヴニークに献呈されました。ロシア語で書かれた本作ですが、チャイコフスキーのオペラの中ではフランス流グランド・オペラに最も近い作風を示しており、特に第2幕に取り入れられたバレエは、その特徴を顕著に表しています。
世界初演は、1881年2月25日（ユリウス暦2月13日）にサンクトペテルブルクのマリインスキー劇場で、エドゥアルド・ナープラヴニークの指揮によって行われました。
その後、重要な公演としては、アドルフ・チェフ指揮による1882年7月28日のプラハ公演（チャイコフスキーのオペラとして初のロシア国外上演）、ミハイル・イッポリトフ＝イワノフ指揮によるモスクワのプライヴェートオペラ協会公演、パリスティーン指揮による1907年のモスクワでのジーミン・オペラ公演などがあります。
主要な登場人物は以下の通りです。
ジャンヌ・ダルク（ソプラノ）
シャルル7世（テノール）
ティボー・ダルク（バス）
リオネル（テノール）
デュノワ（バリトン）
アニェス・ソレル（ソプラノ）
本作では、以下の楽器が用いられます。
ピッコロ、フルート3、オーボエ2、コーラングレ、クラリネット2（B♭、AとC）、ファゴット2、ホルン4（F、D、E♭とE）、コルネット2（B♭とA）、トランペット2（E♭、F、E、DとA）、トロンボーン3、テューバ、ティンパニ、トライアングル、タンブリン、スネアドラム、大太鼓、タムタム、鐘、オルガン、ハープ、弦五部。
物語は、15世紀初頭、イングランドとの百年戦争中のフランスを舞台としています。
教会前の広場では、少女たちがオークを飾り付けて歌っています。農夫ティボー・ダルクは、娘ジャンヌが祖国のために軽率な行動をすることを危惧しています。彼は娘をレーモンと結婚させようとしますが、ジャンヌは別の使命を感じています。パリ陥落とオルレアン包囲の知らせが届くと、人々は救済を祈ります。ジャンヌは霊感を受け、勝利を予言し、天使の声に導かれて故郷を後にします。
シノン城では、王が愛妾アニェス・ソレルと戯れています。吟遊詩人や騎士たちが騒ぎ立てますが、王は何もできずにいます。戦いで傷ついた騎士が現れても、王は逃げ出すことばかり考えています。そこに大主教が現れ、イギリス軍が敗走し、「栄光の乙女」ジャンヌの活躍を告げます。ジャンヌは、自分に戦いを導いた幻影について語り、処女であることが勝利の条件だと告げます。王はジャンヌに兵を指揮させます。
森の中で、ジャンヌはブルゴーニュの騎士リオネルと戦います。兜が外れたリオネルの美しい顔に、ジャンヌはとどめを刺せません。リオネルはジャンヌの寛大さに心を動かされ、フランスに味方することを決意します。ジャンヌは、リオネルへの愛に戸惑います。
人々が王とジャンヌを祝福する中、父ティボーはジャンヌが悪魔と取引していると疑います。ジャンヌが無実を証明しようとしないため、人々は彼女を見捨てます。リオネルはジャンヌを守ろうとしますが、彼女は拒否します。
ジャンヌは森で孤独に悩んでいます。そこへリオネルが現れ、二人は愛を確かめ合いますが、すぐにイギリス兵に捕まり、リオネルは殺されてしまいます。
ルーアンの広場では、ジャンヌが火刑に処されようとしています。人々はジャンヌに同情的ですが、彼女は火あぶりの刑に処せられます。十字架を抱き、神に祈りながら死んでいくジャンヌに、天使の声が聞こえてきます。
このオペラは、以下の構成で成り立っています。
第1幕
序曲
No.1 少女たちの合唱
No.2 情景とテルツェット
No.3 情景
No.4 農夫の合唱と情景
No.5 情景
No.6 賛歌 「天軍の王」
No.7 ジャンヌのアリア 「さようなら、故郷の丘陵と友たち」
No.8 フィナーレ
No.8a ジャンヌのアリアと天使の合唱
第2幕
No.9 間奏曲
No.10 吟遊詩人の合唱
No.11a ジプシーの踊り
No.11b 見習い騎士たちと小人たちの踊り
No.11c 道化師たちと曲芸師たちの踊り
No.12 情景と二重唱
No.13 アニェスのアリオーソと小二重唱
No.14 情景と大主教の語り
No.15 ジャンヌの語り
No.16 フィナーレ
第3幕
No.17 情景と二重唱
No.18 行進曲
No.19 情景と小二重唱
No.20 フィナーレ
第4幕
No.21 導入と情景
No.22 二重唱と情景
* No.23 最後の情景
リブレットの元となったのは、ヴァシーリー・ジュコーフスキー訳によるフリードリヒ・フォン・シラーの戯曲『オルレアンの少女』、ジュール・バルビエの『ジャンヌ・ダルク』、オーギュスト・メルメの自作オペラのリブレット、そしてアンリ＝アレクサンドル・ワロンによるジャンヌ・ダルクの伝記です。これらの多様な資料を基に、チャイコフスキーは独自の解釈を加え、劇的なオペラを創り上げました。
作品は、指揮者のエドゥアルド・ナープラヴニークに献呈されました。ロシア語で書かれた本作ですが、チャイコフスキーのオペラの中ではフランス流グランド・オペラに最も近い作風を示しており、特に第2幕に取り入れられたバレエは、その特徴を顕著に表しています。
演奏史
世界初演は、1881年2月25日（ユリウス暦2月13日）にサンクトペテルブルクのマリインスキー劇場で、エドゥアルド・ナープラヴニークの指揮によって行われました。
その後、重要な公演としては、アドルフ・チェフ指揮による1882年7月28日のプラハ公演（チャイコフスキーのオペラとして初のロシア国外上演）、ミハイル・イッポリトフ＝イワノフ指揮によるモスクワのプライヴェートオペラ協会公演、パリスティーン指揮による1907年のモスクワでのジーミン・オペラ公演などがあります。
配役
主要な登場人物は以下の通りです。
ジャンヌ・ダルク（ソプラノ）
シャルル7世（テノール）
ティボー・ダルク（バス）
リオネル（テノール）
デュノワ（バリトン）
アニェス・ソレル（ソプラノ）
楽器編成
本作では、以下の楽器が用いられます。
ピッコロ、フルート3、オーボエ2、コーラングレ、クラリネット2（B♭、AとC）、ファゴット2、ホルン4（F、D、E♭とE）、コルネット2（B♭とA）、トランペット2（E♭、F、E、DとA）、トロンボーン3、テューバ、ティンパニ、トライアングル、タンブリン、スネアドラム、大太鼓、タムタム、鐘、オルガン、ハープ、弦五部。
あらすじ
物語は、15世紀初頭、イングランドとの百年戦争中のフランスを舞台としています。
第1幕
教会前の広場では、少女たちがオークを飾り付けて歌っています。農夫ティボー・ダルクは、娘ジャンヌが祖国のために軽率な行動をすることを危惧しています。彼は娘をレーモンと結婚させようとしますが、ジャンヌは別の使命を感じています。パリ陥落とオルレアン包囲の知らせが届くと、人々は救済を祈ります。ジャンヌは霊感を受け、勝利を予言し、天使の声に導かれて故郷を後にします。
第2幕
シノン城では、王が愛妾アニェス・ソレルと戯れています。吟遊詩人や騎士たちが騒ぎ立てますが、王は何もできずにいます。戦いで傷ついた騎士が現れても、王は逃げ出すことばかり考えています。そこに大主教が現れ、イギリス軍が敗走し、「栄光の乙女」ジャンヌの活躍を告げます。ジャンヌは、自分に戦いを導いた幻影について語り、処女であることが勝利の条件だと告げます。王はジャンヌに兵を指揮させます。
第3幕
第1場
森の中で、ジャンヌはブルゴーニュの騎士リオネルと戦います。兜が外れたリオネルの美しい顔に、ジャンヌはとどめを刺せません。リオネルはジャンヌの寛大さに心を動かされ、フランスに味方することを決意します。ジャンヌは、リオネルへの愛に戸惑います。
第2場
人々が王とジャンヌを祝福する中、父ティボーはジャンヌが悪魔と取引していると疑います。ジャンヌが無実を証明しようとしないため、人々は彼女を見捨てます。リオネルはジャンヌを守ろうとしますが、彼女は拒否します。
第4幕
第1場
ジャンヌは森で孤独に悩んでいます。そこへリオネルが現れ、二人は愛を確かめ合いますが、すぐにイギリス兵に捕まり、リオネルは殺されてしまいます。
第2場
ルーアンの広場では、ジャンヌが火刑に処されようとしています。人々はジャンヌに同情的ですが、彼女は火あぶりの刑に処せられます。十字架を抱き、神に祈りながら死んでいくジャンヌに、天使の声が聞こえてきます。
作品構成
このオペラは、以下の構成で成り立っています。
第1幕
序曲
No.1 少女たちの合唱
No.2 情景とテルツェット
No.3 情景
No.4 農夫の合唱と情景
No.5 情景
No.6 賛歌 「天軍の王」
No.7 ジャンヌのアリア 「さようなら、故郷の丘陵と友たち」
No.8 フィナーレ
No.8a ジャンヌのアリアと天使の合唱
第2幕
No.9 間奏曲
No.10 吟遊詩人の合唱
No.11a ジプシーの踊り
No.11b 見習い騎士たちと小人たちの踊り
No.11c 道化師たちと曲芸師たちの踊り
No.12 情景と二重唱
No.13 アニェスのアリオーソと小二重唱
No.14 情景と大主教の語り
No.15 ジャンヌの語り
No.16 フィナーレ
第3幕
No.17 情景と二重唱
No.18 行進曲
No.19 情景と小二重唱
No.20 フィナーレ
第4幕
No.21 導入と情景
No.22 二重唱と情景
* No.23 最後の情景
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