オレハマッテルゼ

オレハマッテルゼ：スプリント界の星、そして種牡馬としての輝き

2000年1月16日生まれの競走馬、オレハマッテルゼ。その名は、石原裕次郎主演映画『俺は待ってるぜ』に由来する。しかし、「俺、ハマってるぜ」と解釈することもでき、馬主の小田切有一氏もその可能性を認めていたという興味深いエピソードを持つ。

2003年5月、中京競馬場での3歳未勝利戦でデビュー。初勝利を飾ったのは4戦目、小倉競馬場での未勝利戦だった。その後、オープンに昇級し、重賞初挑戦となった京王杯スプリングカップでは2着と好成績を残す。2005年11月にはキャピタルステークスでオープン初勝利を挙げ、その才能を証明してみせた。

2006年は、東京新聞杯で2着、阪急杯で3着と惜しくも勝利を逃すも、柴田善臣騎手の「距離が短い方がいい」という判断により、高松宮記念への出走を決意する。1200mという距離が功を奏し、見事GI初制覇。音無秀孝調教師、小田切氏、柴田騎手にとって、忘れられない勝利となった。

続く京王杯スプリングカップでも逃げ切り勝ちを収め、安田記念に挑むも10着に終わる。秋のスプリンターズステークスでは9着と振るわず、その後も精彩を欠くレースが続いた。

2007年はフェブラリーステークスで最下位に沈むなど苦戦が続いた。高松宮記念では5着、京王杯スプリングカップでは3着と、前年の活躍を再現することはできなかった。安田記念でも最下位と、かつての輝きを失っていった。夏の休養を経て、セントウルステークス、スプリンターズステークス、富士ステークスと出走するも、思うような結果を残せずに、2007年11月14日付でJRA競走馬登録を抹消、引退した。

引退後は北海道浦河町のイーストスタッドで種牡馬となる。2012年には初年度産駒のハナズゴールがチューリップ賞で重賞制覇を達成するなど、産駒の活躍が目立ち始めた矢先、2013年10月30日、重度の腰萎症のため、わずか13歳でその生涯を終えた。

オレハマッテルゼの主な産駒には、ハナズゴール（オールエイジドステークス、チューリップ賞、京都牝馬ステークス）、エッフェル（如月賞、錦江湾賞）、ウェイトアンドシー（川崎マイラーズ、スパーキングサマーカップ、ゴールド争覇）などがいる。母父としての活躍も目覚ましく、レオビヨンド（イルミネーションジャンプステークス）、グリントビート（星雲賞）、サヨノネイチヤ（勝島王冠、ブリリアントカップ、大井記念）など、数々の活躍馬を輩出した。

オレハマッテルゼは、短い競走生活ながら、数々のドラマを残した競走馬だった。その輝かしい戦績と、種牡馬としての成功、そして早すぎる死は、多くの競馬ファンに深い印象を残している。GI競走の高松宮記念制覇は、彼の名を競馬史に刻み込んだだけでなく、関係者にとって忘れられない、特別な瞬間であった。 彼の血を受け継いだ産駒たちの活躍は、オレハマッテルゼの偉大さを改めて証明していると言えるだろう。

馬主の小田切氏による、石原裕次郎主演映画に因んだ命名エピソードや、競走馬としての活躍、種牡馬としての成功と早すぎる死など、彼の生涯はまさにドラマチックであり、競馬史における一時代を築いたと言えるだろう。 その名前の持つ二面性、そして競走成績や産駒の活躍を併せて考察することで、オレハマッテルゼという競走馬の深遠な魅力に迫ることができる。また、血統背景に目を向けると、名馬エアグルーヴの血を引く、社台グループゆかりの血統であることも、彼の能力の高さを示唆していると言えるだろう。

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