オーストラリア時間

オーストラリアは、広大な国土を持つため、複数の標準時を採用しています。本土では、東から順に、オーストラリア東部標準時（AEST、UTC+10）、オーストラリア中部標準時（ACST、UTC+9:30）、オーストラリア西部標準時（AWST、UTC+8）の3つが用いられています。また、一部地域では夏時間も導入されています。

非公式ながら、オーストラリア中西部標準時（AWCST、UTC+8:45）も一部地域で利用されています。

標準時の歴史

オーストラリアにおける標準時の採用は、1892年のメルボルンでの植民地間会議がきっかけでした。この会議で、1884年の国際子午線会議の推奨に基づき、グリニッジ平均時（GMT、現在の協定世界時UTC）を基準とした標準時システムが導入されることになりました。

当初、各州はGMTからの時間差を1時間単位で設定しました。具体的には、1893年に西オーストラリア州がUTC+8、南オーストラリア州、クイーンズランド州、ニューサウスウェールズ州がUTC+9、ビクトリア州とタスマニア州がUTC+10をそれぞれ採用しました。これらの時間帯は、西部、中部、東部標準時として知られるようになりました。

1898年には、南オーストラリア州がUTC+9:30に変更されました。この30分単位の時間設定は批判も多く、1986年と1994年にはUTC+10への変更やUTC+9への回帰も検討されましたが、実現には至りませんでした。

標準時採用後の主な変更点としては、1910年と1911年のブロークンヒルにおける中部標準時の採用、およびロード・ハウ島のUTC+10:30の採用が挙げられます。また、ニューサウスウェールズ州から分離したオーストラリア首都特別地域と、南オーストラリア州から分離したノーザンテリトリーは、それぞれ親州の標準時を引き継ぎました。

本土以外の地域

オーストラリアの多くの島嶼部では、独自の標準時が設定されています。また、一部地域では夏時間も導入されています。ノーフォーク島は2015年にUTC+11:30からUTC+11に移行し、2019年には夏時間を導入しました。

夏時間

現在、夏時間を正式に採用しているのは、オーストラリア首都特別地域、タスマニア州、ニューサウスウェールズ州、ビクトリア州、南オーストラリア州です。南オーストラリア州はオーストラリア中部夏時間（ACDT、UTC+10:30）を、それ以外の州と地域はオーストラリア東部夏時間（AEDT、UTC+11）を採用しています。

夏時間の期間は、基本的に10月の第一日曜日午前2時から4月の第一日曜日午前3時までです。この期間は、2008年の夏時間終了時からの州政府間の合意に基づいています。

かつて西オーストラリア州では、2006年から2009年までの3年間、オーストラリア西部夏時間（AWDT、UTC+9）を試行していました。この時の夏時間期間は、10月の最終日曜日午前2時から3月の最終日曜日午前3時まででした。

2012年現在、夏時間を採用していないのは、クイーンズランド州、西オーストラリア州、ノーザンテリトリーです。

IANA time zone database

tz databaseのzone.tabには、ISO 3166-1 alpha-2のオーストラリア国コード「AU」に対応する13の時間帯が含まれています。また、本土以外の地域のエントリーも存在します。

参考情報

* Time - australia.gov.au [1]

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