オーリック (DD-569)

オーリック（USS Aulick, DD-569）

オーリック（USS Aulick, DD-569）は、アメリカ海軍のフレッチャー級駆逐艦であり、その名はジョン・オーリック提督（1787年-1873年）に由来しています。この艦は、オーリックという名前を持つ艦の2代目として位置付けられています。

建造の概要

「オーリック」は1941年5月14日にテキサス州のコンソリデーテッド・スチール社で起工され、1942年3月2日に進水しました。そして、1942年10月27日にO・P・トーマス・ジュニア少佐の指導の下で正式に就役しました。

艦歴と戦闘任務

第二次世界大戦

就役後、オーリックは最初にメキシコ湾およびメイン州カスコ湾で試運転を行いました。1942年12月14日、バージニア州ハンプトンローズのチェサピーク湾で、海上保安庁のスループ「ナラダ（USCGR-2012）」と衝突し、「ナラダ」を沈没させる事故を起こしました。この事故による死者はなかったものの、ナラダの所有者には補償金が支払われました。

1943年1月23日にオーリックは南太平洋へ向けて出発し、パナマ運河を経てソシエテ諸島のボラボラ島に寄港しました。そして2月12日にはニューカレドニアのヌメアに到着し、対潜哨戒任務を展開しました。その後、オーリックはアメリカ軍のラッセル諸島上陸を支援するために第64任務部隊に加わりました。

3月1日には、航空機輸送艦「アテネ」を護衛するためにエスピリトゥサント島へ向かう命令を受けましたが、同月10日にはニューカレドニア南端で座礁し、艦体と機関に深刻な損傷を受けました。

その後、ヌメアの乾ドックで応急修理を行い、新たにハワイへ曳航されました。フィジー諸島のスバと米領サモアのパゴパゴに停泊後、4月10日に真珠湾に到着しました。

1944年には、一連の訓練演習を経て7月9日にグアムの戦いに参加し、その地域での護衛任務を遂行しました。さらに、エニウェトク環礁での補給を経て、第32.4任務群に合流し、パラオへの作戦に備えました。

10月にはレイテ沖に到達し、日本軍の砲撃を受けるなどの激しい戦闘に参加しました。これにより、乗員の死傷者が出るなどの損害もありましたが、オーリックは戦闘を続けました。

戦後の任務

戦後、1945年8月には沖縄と東京間の航空路において海上救護任務に従事し、墜落した爆撃機から乗組員を救助しました。その後、1945年9月10日に沖縄を出発し、10月17日にニューヨークに到達しました。11月にはブルックリン海軍工廠に入渠し、1946年4月18日に退役を迎えました。

ギリシャ海軍での使用

オーリックは1959年8月21日にギリシャ政府に貸与され、ギリシャ海軍では「スフェンドニ（Sfendoni, D85）」として使用されました。1975年にアメリカ海軍の船籍から除籍され、その後1977年4月にギリシャに売却されました。最終的には1991年に退役し、1997年には売却されて解体されました。

従軍星章

オーリックはその功績により、第二次世界大戦中に5個の従軍星章を受賞しています。

脚注

この情報は、アメリカ合衆国政府の著作物であるDictionary of American Naval Fighting Shipsからの引用です。

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