カマラ (プロレスラー)

ジェームズ・ハリス：カマラ（キマラ）の生涯と影響

プロレスラーのジェームズ・ハリス（1950年5月28日 - 2020年8月9日）は、カマラ（Kamala）あるいはキマラ（Kimala）というリングネームで広く知られています。ミシシッピ州出身の彼は、アフリカの部族ギミックをまとった怪奇派レスラーとして、数多くのプロレス団体で活躍しました。特に全日本プロレスでのジャイアント・キマラ名義での試合でも知られ、日本のファンにも強い印象を残しました。
彼はその独特なキャラクターとパフォーマンスで、プロレス界に多大な影響を与えました。

初期の経歴

ハリスはプロレスラーになる前、フロリダ州で配管工として働いていましたが、1975年にミシガン州に移住した際にボボ・ブラジルとの出会いがきっかけとなり、プロレスの世界に足を踏み入れる決意をしました。彼はブラジルの友人であるタイニー・ティム・ハンプトンの指導の下、1978年にミッドサウスエリアでデビューしました。当初はシュガー・ベア・ハリスという名で活動し、大型黒人レスラーのヒールキャラクターを確立しました。1980年にはアラバマ州でオレイ・アンダーソンからNWAサウスイースタン・ヘビー級王座を奪取するなどし、さらにビッグ・ジム・ハリスという名前でも活躍しました。

新たなギミックと成功

1982年、彼はCWAで新たなキャラクター、カマラとしてリブートしました。ウガンダの未開部族をモチーフとしたこのギミックは、顔と体に呪術的なペイントを施し、槍や盾を持って入場するという、非常に独特なものでした。この新キャラクターは瞬く間に注目を集め、同年にはCWAのAWA南部ヘビー級王座も手に入れました。

カマラはテキサス州ダラスのWCCWや、古巣であるミッドサウスエリアのMSWAで数々の名勝負を繰り広げ、特にフォン・エリック兄弟やブルーザー・ブロディとの対戦は特筆すべきものでした。また、1984年にWWFで初登場し、アンドレ・ザ・ジャイアントとの抗争が組まれるなど新たなキャリアの節目を迎えましたが、待遇面での不満から短期間で離脱しました。

日本での活躍と国際的な名声

1985年にはジャイアント・キマラとして全日本プロレスに初来日し、キラー・カーンや長州力と対戦しました。特に日本ではペイントレスラーとしての人気が高く、彼の存在感は多くのファンを魅了しました。
1990年代に入り、ハリスはUSWAでジェリー・ローラーとの因縁の抗争を展開し、WWFに復帰した際にはベビーフェイスとして新たなキャラクターを確立しました。そして、WCWに移籍した後も活躍し続けましたが、時折トラックドライバーとしての生活も行っていました。

病と引退

2011年に糖尿病の合併症により左足を失い、翌2012年には右足も失う手術を受けました。その後、彼は晩年を様々な健康問題に悩まされながら過ごします。
2016年にはWWEに対して損害賠償請求を起こしましたが、棄却されました。2017年には病院で手術を受けた際に入院しましたが、その後改善の兆しを見せることもありました。

突然の死

2020年8月5日に新型コロナウイルスに感染し、その後入院。しかし、2020年8月9日、彼は70歳でこの世を去りました。
彼の死はWWEにとっても大きな損失であり、多くの愛したファンから悼まれることとなりました。

彼の遺産

カマラは、2025年にWWE殿堂に迎えられることが決定しています。彼はレスラーとしての正当に評価されなかった部分もありましたが、その巨体に似合わぬ軽やかさと多彩な技を持ち合わせていました。ウガンダン・スプラッシュやリープ・フロッグ、さらには彼のトレードマークでもある腹を太鼓として叩く仕草は、後のレスラーたちにも影響を与えました。彼のパフォーマンスは、今でも多くのファンの記憶に残ることでしょう。

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