カーボベルデ軍

カーボベルデ軍（Forças Armadas Cabo Verdeanas）

カーボベルデ軍は、カーボベルデ共和国の独立を守るための軍隊です。参謀本部、国家警備隊（陸軍）、沿岸警備隊で構成されています。かつてはAn-26を運用する独立した空軍が存在しましたが、現在は沿岸警備隊に統合されています。

概要

総兵力は約1,200人で、内訳は国家警備隊が約1,000人、沿岸警備隊航空隊と沿岸警備隊がそれぞれ約100人となっています。重装備はほとんど保有しておらず、憲兵隊と沿岸警備隊が中心的な役割を担っています。主な任務は、国内の治安維持と領海の警備です。麻薬問題などでは、カーボベルデ警察と協力して作戦を行うこともあります。

データ

軍事予算：1,120万ドル（2018年）
兵役：選抜徴兵制

歴史

ポルトガル領時代には、ポルトガル軍の小規模な守備隊が駐留していました。1956年には、アミルカル・カブラルがギニア・カーボベルデ独立アフリカ党（PAIGC）を結成し、カーボベルデ人も参加しました。しかし、PAIGCの活動の中心はギニアビサウであり、カーボベルデが戦場となることはありませんでした。PAIGCのカーボベルデ支部は、独立後の1981年にカーボベルデ独立アフリカ党として分離しました。

1975年の独立時に、国軍としてカーボベルデ人民革命軍（FARP）が創設されました。これは、PAIGCカーボベルデ支部の軍事部門が前身となっています。1990年代には、FARPからカーボベルデ軍（FACV）へと名称が変更されました。

2000年代には、カーボベルデ警察とともに、カーボベルデを中継地点とするコロンビアからオランダやドイツへの麻薬密輸組織の壊滅作戦が2010年まで行われました。

組織・編制

国家警備隊（Guarda National）

国土の防衛と国内の治安維持を担当します。

地域コマンド（軍管区）：第1から第3までの3管区に分割されています。
任務部隊：憲兵隊、海兵隊、砲兵隊

装備

小火器：Sa vz. 23、FMBP-48、AK-47、AKM、SKS、RPD、RPK、PK、MG3、SGM
重火器・ミサイル：DShK、KPV、ZPU-1（×18基）、RPG-7、LRAC F1、9K32
火砲：PM-41（×12門）、PM-43（×6門）、ZU-23-2（×12基）
装甲戦闘車両：BRDM-2（×10両）

沿岸警備隊

領海の防衛と、国家警備隊に対する海空両面からの支援を担当します。航空隊は沿岸警備隊の指揮下にあります。

艦艇：P511 グアルディアオ（ダーメンスタン級哨戒艇） - 1隻、P521 ヴィジランテ（東ドイツ製コンドル-I級掃海艇） - 1隻、ピーターソン Mk.4哨戒艇（100トン以下） - 1隻、哨戒艇（名称不明）（100トン以下） - 1隻
航空装備：An-26 - 3機、CASA C-212 - 1機、Do 228 - 1機、Z-9B - 2機

不祥事

2016年4月25日、サントドミンゴ市のモンテチョタ駐屯地で、兵士による自動小銃乱射事件が発生し、兵士8人と民間人3人（スペイン人2人を含む）が死亡しました。犯人の兵士はAK-47で武装したまま逃走しましたが、軍と警察の共同捜査により2日後に首都プライアで逮捕されました。容疑者は懲役35年の実刑判決を受けました。ジョルジェ・カルロス・フォンセカ大統領は、事件は政治的な背景によるものではなく、個人的な怨恨によるものと発表しました。

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