カール・ウエレ

カール・ウエレ：不屈のプロレスラー、PCOの軌跡

カール・ウエレ（Carl Ouellet）は、1967年12月30日生まれ、フランス系カナダ人のプロレスラーです。ケベック州セント・キャサリン出身で、1990年代にWWF（現WWE）で中堅ヒールとして活躍しました。ジャック・ルージョーとのタッグチーム「ザ・ケベッカーズ」や、海賊ギミックの「ジャン＝ピエール・ラフィット」としての活動が特に知られています。

デビューからWWFへ

1987年、ウエレは地元モントリオールでプロレスラーとしてのキャリアをスタートさせました。インディー団体で経験を積んだ後、ネオナチ・ギミックの「キラー・カール・ウォレス」としてプエルトリコのWWCに参戦。1992年には、バッシュ・ザ・ターミネーターとしてW★INGプロモーションで初来日を果たしました。

WWFでの活躍

1993年、ジャック・ルージョーの仲介でWWFに登場。ピエールと名乗り、ザ・ケベッカーズを結成しました。マウンティー・スタイルのギミックとジョニー・ポロのマネージメントのもと、スタイナー・ブラザーズからWWF世界タッグ王座を奪取。その後もメン・オン・ナ・ミッションなどと激しい王座争いを繰り広げ、通算3回にわたって同王座を獲得しました。

1995年、ジャックの一時引退に伴い、シングル・プレイヤーに転向。隻眼の海賊ギミック「ジャン＝ピエール・ラフィット」に変身し、ブレット・ハートとの抗争アングルが展開されました。PPV「イン・ユア・ハウス」ではブレットとのシングルマッチが2度組まれました。また、地元モントリオールでのハウス・ショーでは、当時のWWF世界ヘビー級王者ディーゼルと対戦するも、ショーン・マイケルズの反対により引き分けに終わりました。その後、WWFを離脱。

WWF以降のキャリア

1996年9月、WCWに移籍し、ジャック・ルージョーとのコンビを再結成。アメイジング・フレンチ・カナディアンズとしてナスティ・ボーイズやハーレム・ヒートと対戦しました。1998年にはWWFに復帰し、"WWF Brawl for All" に出場。その後、全日本プロレスにも参戦しました。2000年にはECWに参戦し、ジャスティン・クレディブルのECW世界ヘビー級王座に挑戦。同年下期にはWCWに短期間再登場し、WCWハードコア王座を獲得しました。

その後はIWAプエルトリコなどを経て、2003年に覆面レスラーXとしてTNAに登場。モントリオールのインディー団体を中心に活動し、WWEのダーク・マッチにも出場しました。2011年に引退を表明しましたが、2016年に現役復帰。

ROHでの復活、そして現在

2018年12月、ROH（Ring of Honor）との独占契約を発表。2019年にはROH世界タッグ王座とROH世界6人タッグ王座を獲得し、同年12月にはルーシュを破りROH世界王座を獲得しました。PCO（Pierre Carl Ouellet）として、その驚異的な肉体とアグレッシブなファイトスタイルで、再びプロレス界の頂点に立ちました。

得意技

チョークスラム
デスバレーボム
サモアン・ドロップ
キャノンボール（Le Cannonball）
ムーンサルト
レッグ・ドロップ
パイルドライバー
ラリアット
トペ・コン・ヒーロ

獲得タイトル

WWF世界タッグ王座：3回（w / ケベッカー・ジャック）
ROH世界王座：1回
ROH世界タッグ王座：1回（w / ブロディ・キング）
ROH世界6人タッグ王座：1回（w / マーティ・スカル、ブロディ・キング）
NWA世界タッグチーム王座：1回（w / ブロディ・キング）
CWA世界タッグ王座：1回（w / ライノ・リチャーズ）
WCWハードコア王座：1回
IWSヘビー級王座：1回
TOWタッグ王座：1回（w / アル・スノー）

カール・ウエレ、PCOは、長年にわたりプロレス界の様々な舞台で活躍し、数々のタイトルを獲得してきた、まさに不屈のプロレスラーです。そのキャリアは、衰えを知らず、常に進化し続けています。

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