ギャンジャ

ギャンジャ：アゼルバイジャンの古都

ギャンジャは、アゼルバイジャン共和国に位置する都市であり、首都バクーに次ぐ規模を誇ります。人口は約30万人。その歴史は深く、幾度かの名称変更を経て現在に至ります。ロシア帝国時代にはエリザヴェトポリ、ソビエト連邦時代にはキロヴァバードと呼ばれていました。

歴史

ギャンジャの起源は5世紀頃に遡ります。都市名の由来は、ペルシア語で「宝物」を意味する「ganj」であるという説が有力です。古来より、この地域における商業と文化の中心地として繁栄しました。

しかし、1139年の大地震や1231年のモンゴル人の侵攻により、一時的に衰退。その後、サファヴィー朝の支配下で復興を遂げます。1747年には、アッバース1世にちなんでアッバサバードと改称されましたが、後にギャンジャ・ハン国の首都となりました。

19世紀に入ると、第一次ロシア・ペルシア戦争の結果、1813年のゴレスターン条約によってロシア帝国に併合。アレクサンドル1世の妻エリザベータにちなみ、エリザヴェトポリと名を改められました。

20世紀に入り、激動の時代を迎えます。1918年には、バクーが赤軍に占領された一時的に、アゼルバイジャン民主共和国の首都としての役割を担いました。1920年にソビエト政権が樹立されると、都市名はギャンジャに戻されます。しかし、1935年にはスターリンによって革命家セルゲイ・キーロフにちなみ、キロヴァバードと再び改称。1991年、アゼルバイジャンが独立を果たすと、都市名は最終的にギャンジャに戻り、現在に至ります。

文化と観光

ギャンジャは、文化的な観光資源も豊富です。特に有名なのは、ペルシアの詩人ニザーミー・ギャンジャヴィの生地であること。1991年には、彼の霊廟が建設され、多くの人々が訪れています。ギャンジャ国際空港があり、首都バクーとの間には空路が開設されています。

姉妹都市

ギャンジャは、国際交流も盛んに行っています。以下は、ギャンジャの姉妹都市の一覧です。

モスクワ（ロシア）
ニューアーク（アメリカ合衆国）
ルスタヴィ（ジョージア）
クタイシ（ジョージア）
イズミル（トルコ）
デルベント（ロシア）
カルス（トルコ）

ゆかりの人物

ギャンジャは、多くの著名人を輩出しています。

ニザーミー・ギャンジャヴィ（詩人）
イワン・バグラミャン（軍人）
トグルル・アスガロフ（2012年ロンドン五輪レスリングフリースタイル60kg級金メダリスト）

ギャンジャは、その長い歴史の中で様々な文化が交錯し、独自の魅力を育んできた都市です。アゼルバイジャンを訪れる際には、ぜひ足を運んでみてください。

もう一度検索