クアラブライト
クアラブライト（Kuala Belait）は、ブルネイ・ダルサラーム国ブライト地区に位置する主要都市であり、首都バンダルスリブガワンに次ぐ規模を誇ります。ブライト地区の行政庁所在地として機能し、地元では単に「ブライト」とも呼ばれています。都市名と地区名を区別する際には「ブライト町」（Pekan Belait）と称されます。
「クアラブライト」という地名は、「ブライト川の河口」を意味します。マレー語の「クアラ」(Kuala)には、二つの川の合流点と河口の二つの意味がありますが、ここでは後者の意味で用いられています。「ブライト」(Belait)は、この地域を流れる川の名前であり、地区名としても使用されています。
クアラブライトは、ブルネイの西端に位置し、マレーシアのサラワク州との国境近くにあります。北緯4.59度、東経114.18度に位置し、ブライト川が西と南を流れています。東にはスンガイ・パダン村（Kampong Sungai Pandan）とムモン村（Kampong Mumong）が隣接しています。町の中心部は、南シナ海に面した北側の海岸線に広がっています。
かつてブライト地区の行政庁所在地であったクアラ・バライ（Kuala Balai）は、クアラブライトの南に位置し、道路と川で結ばれています。石油の町として知られるセリアは、クアラブライトの東約16kmにあります。首都バンダルスリブガワンへは約120km北東に位置していますが、同じ距離を南西に進むとマレーシアのミリに到達します。
20世紀初頭まで、クアラブライトは小さな漁村に過ぎませんでした。この地に住む人々はブライト人というマレー人の一派で、主に漁業を営んでいました。伝統的な慣習に従い、ブライト人は二つの集団に分かれ、一方はブライト川の河口西岸に移動し、現在のスンガイ・ツラバン村（Kampong Sungai Teraban）を形成しました。
クアラブライトの発展は、近隣のパダン・ブラワ（現在のセリア）で石油が発見されたことがきっかけでした。当時、ブライト川上流にあったクアラ・バライがブライト地区の行政庁所在地でしたが、交通の便が良いクアラブライトが新たに開発され、行政庁所在地が移転されました。当時のクアラ・バライは、ブルネイの他の都市と道路で連絡されていませんでした。
1930年代には、クアラブライト衛生局（The Kuala Belait Sanitary Board）が設置され、クアラブライトは村から町へと格上げされました。この衛生局は、後のブライト・セリア行政局（Lembaga Bandaran Kuala Belait dan Seria）の前身となりました。ブルネイでは、町は行政局、村は村議会によって統治されます。第二次世界大戦中は日本軍の支配下に置かれましたが、戦後に自治を取り戻しました。
オマール・アリ・サイフディーン国王の治世下で、クアラブライトには近代的な商業施設が建設されました。特に、プリティ通り（Jalan Pretty）のショップハウスやHSBCグループの支店がこの時期に開店しました。
1984年にブルネイがイギリスから独立すると、多くの新しい政府庁舎が建設され、地方政府の業務が開始されました。21世紀に入ると、町の中心部にホテルの建設が進み、景観が大きく変化しています。
クアラブライトの町は、さらにカンポン（Kg.と略す）と呼ばれる村に分割されています。
市内
クアラブライトの繁華街は、スティア・ディ・ラジャ通り（Jalan Setia DiRaja）が南縁を、スティア・パーラワン通り（Jalan Setia Pahlawan）が東縁を形成しています。以下は、市内にある主な村です。
プカン・ブライト村（Kampong Pekan Belait）
ムラユ・アスリ村（Kampong Melayu Asli） - クアラブライトモスクがあります。
ムラユ・バル村（Kampong Melayu Baru）
シナ村（Kampong Cina） - 中国人学校であるチュン・フア中等学校（Chung Hua Middle School）があります。
ツムンゴン村（Kampong Temenggong）
ルボク・パラム村（Kampong Lubok Palam）
郊外
クアラブライトの周辺には、町の郊外として機能する地域があります。以下に主なものを挙げます。
スンガイ・ツラバン村（Kampong Sungai Teraban） - ブライト川を挟んでクアラブライトと向かい合っています。
パンダン村（Kampong Pandan） - ブライト地区最大の村で、クアラブライトの真東に位置しています。
ムモン村（Kampong Mumong） - 東部に複合スポーツ施設があります。
スンガイ・ドゥホン（Kampong Sungai Duhon） - クアラブライトの商業港があります。
ラサウ村（Kampong Rasau） - スンガイ・ツラバン村の南にある小さな村です。
※ SungaiはSg.と略記されることが多いです。
クアラブライトは、陸上にあるラサウガス田の近くに位置していますが、町内にガス井はありません。しかし、ブルネイシェル石油は、この町に石油とガスの生産施設を多数置いています。
クアラブライト・ブンクリン・ステーション（Kuala Belait Bunkering Station, KBBS）は、ブライト川の河口付近にあります。この施設は、国内向けのガスを生産する設備を持ち、その他多くの化学物質も生産しています。クアラブライト埠頭（Kuala Belait Wharf）は、ブライト地区沖合の油井と往来する従業員が利用する拠点となっています。埠頭の南にはクアラブライト補給基地があり、ブルネイシェル石油の営業拠点となっています。海洋建設作業場（Marine Construction Yard, SCO）は、海上構造物を建設する重要な拠点です。
ラサウ油田は、クアラブライトの南西にあるラサウ村の名を冠していますが、スンガイ・ツラバン村にもまたがっており、大部分はスンガイ・ツラバン村に位置しています。クアラブライト郊外のスンガイ・ドゥホン村やスンガイ・パンダン村にも、いくつかの油田やガス田があります。
クアラブライトには多くの観光スポットがあります。以下にその一部を紹介します。
25周年記念公園（Silver Jubilee Park） - 南シナ海沿岸のマウラナ通り（Jalan Maulana）沿いにあり、砂浜も併設されています。ハサナル・ボルキア国王の王位継承25周年を記念して、クアラブライト市民が贈った記念品に応える形で開園しました。公園の入り口には記念アーチ（マレー語：pintu gerbang）が建てられ、小屋、シェルター、トイレ、子ども広場にはモニュメントが設置されています。
ザ・モニュメント - ハサナル・ボルキア国王の生誕50周年を記念して、ブライト川の河畔のSKBBビルとクアラブライトボートクラブの間に設置されています。
クアラブライトボートクラブ（Kuala Belait Boat Club, KBBC）
旅客フェリー - 対岸のスンガイ・ツラバンへ向かうフェリーがかつて運行されていました。
近郊の観光地
急須ラウンドアバウト（kiri roundabout） - スンガイ・パンダン村にある、ブルネイシェル石油の資金援助で建設中の交差点です。
イスタナ・マングルラ（Istana Mangelella） - ブルネイ国王がブライト地区に所有する宮殿です。
スシ・エクスカペード（Sushi Excapade） - WYショッピングセンターとタイルマート（TyreMart）の近くにある人気寿司店です。安価で美味しい寿司が提供されています。
その他、ブライト地区の観光地としては、旧行政庁所在地であるクアラ・バライや石油の町セリアが挙げられます。
クアラブライトは熱帯雨林気候に属し、一年を通して高温多湿です。雨季と乾季の区別はありますが、年間を通して降雨が見られます。乾季は非常に高温で20℃から33℃の間で変動し、多湿な状態が続きます。雨季は比較的温暖で、雨と晴天が交互に訪れます。クアラブライトの気候は首都バンダルスリブガワンと似ていますが、首都が亜熱帯であるのに対し、クアラブライトは熱帯に属します。
道路
クアラブライトの道路はほとんどが舗装されていますが、全ての道路が大型車両の通行に耐えられるわけではありません。メインストリートはプリティ通り（Jalan Pretty）で、多くの商店や商業ビルが並んでいます。
地理的な要因から、東にあるセリアとは道路で結ばれています。主要な幹線道路は、クアラブライトの西、マレーシア国境付近から港町のムアラ（Muara）に至るセリア・ムアラバイパスが、町の南部を通っています。また、ムモン村のパンダン・リマ通り（Jalan Pandan Lima）から来たクアラブライトハイウェー（Kuala Belait Highway）が接続しています。この道路上には、ブライト川にかかる通行料3ドルの有料橋があります。この橋はクアラブライトのウォーターフロントから見ることができます。スンガイ・ツラバン村やマレーシアのミリへ行くには、この橋を渡る必要があります。かつては、クアラブライト埠頭からフェリーを利用することもできました。
タクシー・バス
タクシー乗り場は、プリティ通りの北端西側、HSBCビルの前にあります。タクシーの初乗り運賃は3ドルです。運賃は前もって交渉することをおすすめします。バスターミナルはタクシー乗り場の向かいにあり、3つの定期路線があります（2006年1月時点）。
スンガイトゥジョー（Sungai Tujoh）行き - マレーシアのミリ方面、2日に1便運行
クアラ・ルラー（Kuala Lurah、ブルネイ・ムアラ地区）行き - マレーシアのリンバン方面、1日1便
セリア行き - 1時間に3便運行（7時から18時まで、ただし12時から13時は運休）
公共交通機関を利用してバンダルスリブガワンへ行く場合は、タクシーを利用するか、バスでセリアまで行き、そこでバンダルスリブガワン行きのバスに乗り換える必要があります。
鉄道
クアラブライトには鉄道はありません。
水上交通
水上タクシーも利用可能で、クアラブライト市場に近いクアラブライト埠頭から川をさかのぼってクアラ・バライへ行くことができます。また、クアラブライトボートクラブが運航する船を利用すれば、南シナ海沿岸の近隣の村々へ海を渡って行くことができます。
クアラブライト港は、ブルネイにある3つの主要港湾の一つです。港湾の河口寄りにはブルネイシェル石油専用港があり、一般の利用は禁止されています。商業港はクアラブライトの南、スンガイ・ドゥホン村に位置し、河口からやや上流寄りにあります。河川の堆積作用により水深が浅いため、喫水が浅い船舶しか入港できません。土砂の堆積を防ぐために2つの防波堤が建設されていますが、港の運営を維持するためには定期的な浚渫が必要です。
スンガイ・ツラバン行きのフェリーは2005年に運航を停止しています。かつては6時から18時まで運航され、片道3ドルの乗船料でした。
航空
クアラブライトには空港がないため、空路を利用する場合はブルネイ国際空港（バンダルスリブガワン）またはミリ空港（マレーシア）へ行く必要があります。スリ・スリ・ブガワン病院（Suri Seri Begawan Hospital）にはヘリポートがあります。
ブルネイの国立図書館であるデワン・バハサ・ダン・プスタカ図書館のクアラブライト分館が設置されています。また、以下のような学校がクアラブライトにあります。
クアラブライト小学校（Sekolah Rendah Kuala Belait） - 公立
アーマッド・タジュディン小学校（Sekolah Rendah Ahmad Tajuddin） - 公立、クアラブライト小学校の近くにあります。
プンギラン・スティア・ジャヤ・プンギラン・アブドゥル・モミン小学校（Sekolah Rendah Pengiran Setia Jaya Pengiran Abdul Momin） - パンダン村の公立小学校
セントジェームスミッションスクール（St. James' Mission School） - イングランド国教会系の私立学校
セントジョンズミッションスクール（St. John's Mission School） - カトリック系の私立学校
チュン・フア中等学校クアラブライト校 - 中国人系の私立学校
プルダナ・ワズィル中等学校（Sekolah Menengah Perdana Wazir） - 公立
ジェフリ・ボルキア工科大学（Jefri Bolkiah Technical College） - 公立大学
スルタン・オマール・アリ・サイフディーン宗教学校（Sekolah Agama Sultan Omar Ali Saifuddin）
インターナショナルスクール・クアラブライト校（International School Brunei, Kuala Belait） - ブラカス（Berakas）にあるインターナショナルスクール・ブルネイ（ISB）の分校です。
クアラブライト郊外の学校
PJN Pg. Hj.アブ・バカール中等学校（Sekolah Menengah PJN Pg. Hj. Abu Bakar） - 旧ムモン中等学校（Sekolah Menengah Mumong）。クアラブライトで最高の学校として知られています。
* サイディナ・アリ中等学校（Sekolah Menengah Sayyidina Ali） - 首都以外で最初に開校した6年制の中等学校。スンガイ・パンダン村にあります。
英語）'>外部リンク
「クアラブライト」という地名は、「ブライト川の河口」を意味します。マレー語の「クアラ」(Kuala)には、二つの川の合流点と河口の二つの意味がありますが、ここでは後者の意味で用いられています。「ブライト」(Belait)は、この地域を流れる川の名前であり、地区名としても使用されています。
地理
クアラブライトは、ブルネイの西端に位置し、マレーシアのサラワク州との国境近くにあります。北緯4.59度、東経114.18度に位置し、ブライト川が西と南を流れています。東にはスンガイ・パダン村（Kampong Sungai Pandan）とムモン村（Kampong Mumong）が隣接しています。町の中心部は、南シナ海に面した北側の海岸線に広がっています。
かつてブライト地区の行政庁所在地であったクアラ・バライ（Kuala Balai）は、クアラブライトの南に位置し、道路と川で結ばれています。石油の町として知られるセリアは、クアラブライトの東約16kmにあります。首都バンダルスリブガワンへは約120km北東に位置していますが、同じ距離を南西に進むとマレーシアのミリに到達します。
歴史
20世紀初頭まで、クアラブライトは小さな漁村に過ぎませんでした。この地に住む人々はブライト人というマレー人の一派で、主に漁業を営んでいました。伝統的な慣習に従い、ブライト人は二つの集団に分かれ、一方はブライト川の河口西岸に移動し、現在のスンガイ・ツラバン村（Kampong Sungai Teraban）を形成しました。
クアラブライトの発展は、近隣のパダン・ブラワ（現在のセリア）で石油が発見されたことがきっかけでした。当時、ブライト川上流にあったクアラ・バライがブライト地区の行政庁所在地でしたが、交通の便が良いクアラブライトが新たに開発され、行政庁所在地が移転されました。当時のクアラ・バライは、ブルネイの他の都市と道路で連絡されていませんでした。
1930年代には、クアラブライト衛生局（The Kuala Belait Sanitary Board）が設置され、クアラブライトは村から町へと格上げされました。この衛生局は、後のブライト・セリア行政局（Lembaga Bandaran Kuala Belait dan Seria）の前身となりました。ブルネイでは、町は行政局、村は村議会によって統治されます。第二次世界大戦中は日本軍の支配下に置かれましたが、戦後に自治を取り戻しました。
オマール・アリ・サイフディーン国王の治世下で、クアラブライトには近代的な商業施設が建設されました。特に、プリティ通り（Jalan Pretty）のショップハウスやHSBCグループの支店がこの時期に開店しました。
1984年にブルネイがイギリスから独立すると、多くの新しい政府庁舎が建設され、地方政府の業務が開始されました。21世紀に入ると、町の中心部にホテルの建設が進み、景観が大きく変化しています。
カンポン
クアラブライトの町は、さらにカンポン（Kg.と略す）と呼ばれる村に分割されています。
市内
クアラブライトの繁華街は、スティア・ディ・ラジャ通り（Jalan Setia DiRaja）が南縁を、スティア・パーラワン通り（Jalan Setia Pahlawan）が東縁を形成しています。以下は、市内にある主な村です。
プカン・ブライト村（Kampong Pekan Belait）
ムラユ・アスリ村（Kampong Melayu Asli） - クアラブライトモスクがあります。
ムラユ・バル村（Kampong Melayu Baru）
シナ村（Kampong Cina） - 中国人学校であるチュン・フア中等学校（Chung Hua Middle School）があります。
ツムンゴン村（Kampong Temenggong）
ルボク・パラム村（Kampong Lubok Palam）
郊外
クアラブライトの周辺には、町の郊外として機能する地域があります。以下に主なものを挙げます。
スンガイ・ツラバン村（Kampong Sungai Teraban） - ブライト川を挟んでクアラブライトと向かい合っています。
パンダン村（Kampong Pandan） - ブライト地区最大の村で、クアラブライトの真東に位置しています。
ムモン村（Kampong Mumong） - 東部に複合スポーツ施設があります。
スンガイ・ドゥホン（Kampong Sungai Duhon） - クアラブライトの商業港があります。
ラサウ村（Kampong Rasau） - スンガイ・ツラバン村の南にある小さな村です。
※ SungaiはSg.と略記されることが多いです。
資源
クアラブライトは、陸上にあるラサウガス田の近くに位置していますが、町内にガス井はありません。しかし、ブルネイシェル石油は、この町に石油とガスの生産施設を多数置いています。
クアラブライト・ブンクリン・ステーション（Kuala Belait Bunkering Station, KBBS）は、ブライト川の河口付近にあります。この施設は、国内向けのガスを生産する設備を持ち、その他多くの化学物質も生産しています。クアラブライト埠頭（Kuala Belait Wharf）は、ブライト地区沖合の油井と往来する従業員が利用する拠点となっています。埠頭の南にはクアラブライト補給基地があり、ブルネイシェル石油の営業拠点となっています。海洋建設作業場（Marine Construction Yard, SCO）は、海上構造物を建設する重要な拠点です。
ラサウ油田は、クアラブライトの南西にあるラサウ村の名を冠していますが、スンガイ・ツラバン村にもまたがっており、大部分はスンガイ・ツラバン村に位置しています。クアラブライト郊外のスンガイ・ドゥホン村やスンガイ・パンダン村にも、いくつかの油田やガス田があります。
観光
クアラブライトには多くの観光スポットがあります。以下にその一部を紹介します。
25周年記念公園（Silver Jubilee Park） - 南シナ海沿岸のマウラナ通り（Jalan Maulana）沿いにあり、砂浜も併設されています。ハサナル・ボルキア国王の王位継承25周年を記念して、クアラブライト市民が贈った記念品に応える形で開園しました。公園の入り口には記念アーチ（マレー語：pintu gerbang）が建てられ、小屋、シェルター、トイレ、子ども広場にはモニュメントが設置されています。
ザ・モニュメント - ハサナル・ボルキア国王の生誕50周年を記念して、ブライト川の河畔のSKBBビルとクアラブライトボートクラブの間に設置されています。
クアラブライトボートクラブ（Kuala Belait Boat Club, KBBC）
旅客フェリー - 対岸のスンガイ・ツラバンへ向かうフェリーがかつて運行されていました。
近郊の観光地
急須ラウンドアバウト（kiri roundabout） - スンガイ・パンダン村にある、ブルネイシェル石油の資金援助で建設中の交差点です。
イスタナ・マングルラ（Istana Mangelella） - ブルネイ国王がブライト地区に所有する宮殿です。
スシ・エクスカペード（Sushi Excapade） - WYショッピングセンターとタイルマート（TyreMart）の近くにある人気寿司店です。安価で美味しい寿司が提供されています。
その他、ブライト地区の観光地としては、旧行政庁所在地であるクアラ・バライや石油の町セリアが挙げられます。
気候
クアラブライトは熱帯雨林気候に属し、一年を通して高温多湿です。雨季と乾季の区別はありますが、年間を通して降雨が見られます。乾季は非常に高温で20℃から33℃の間で変動し、多湿な状態が続きます。雨季は比較的温暖で、雨と晴天が交互に訪れます。クアラブライトの気候は首都バンダルスリブガワンと似ていますが、首都が亜熱帯であるのに対し、クアラブライトは熱帯に属します。
交通
道路
クアラブライトの道路はほとんどが舗装されていますが、全ての道路が大型車両の通行に耐えられるわけではありません。メインストリートはプリティ通り（Jalan Pretty）で、多くの商店や商業ビルが並んでいます。
地理的な要因から、東にあるセリアとは道路で結ばれています。主要な幹線道路は、クアラブライトの西、マレーシア国境付近から港町のムアラ（Muara）に至るセリア・ムアラバイパスが、町の南部を通っています。また、ムモン村のパンダン・リマ通り（Jalan Pandan Lima）から来たクアラブライトハイウェー（Kuala Belait Highway）が接続しています。この道路上には、ブライト川にかかる通行料3ドルの有料橋があります。この橋はクアラブライトのウォーターフロントから見ることができます。スンガイ・ツラバン村やマレーシアのミリへ行くには、この橋を渡る必要があります。かつては、クアラブライト埠頭からフェリーを利用することもできました。
タクシー・バス
タクシー乗り場は、プリティ通りの北端西側、HSBCビルの前にあります。タクシーの初乗り運賃は3ドルです。運賃は前もって交渉することをおすすめします。バスターミナルはタクシー乗り場の向かいにあり、3つの定期路線があります（2006年1月時点）。
スンガイトゥジョー（Sungai Tujoh）行き - マレーシアのミリ方面、2日に1便運行
クアラ・ルラー（Kuala Lurah、ブルネイ・ムアラ地区）行き - マレーシアのリンバン方面、1日1便
セリア行き - 1時間に3便運行（7時から18時まで、ただし12時から13時は運休）
公共交通機関を利用してバンダルスリブガワンへ行く場合は、タクシーを利用するか、バスでセリアまで行き、そこでバンダルスリブガワン行きのバスに乗り換える必要があります。
鉄道
クアラブライトには鉄道はありません。
水上交通
水上タクシーも利用可能で、クアラブライト市場に近いクアラブライト埠頭から川をさかのぼってクアラ・バライへ行くことができます。また、クアラブライトボートクラブが運航する船を利用すれば、南シナ海沿岸の近隣の村々へ海を渡って行くことができます。
クアラブライト港は、ブルネイにある3つの主要港湾の一つです。港湾の河口寄りにはブルネイシェル石油専用港があり、一般の利用は禁止されています。商業港はクアラブライトの南、スンガイ・ドゥホン村に位置し、河口からやや上流寄りにあります。河川の堆積作用により水深が浅いため、喫水が浅い船舶しか入港できません。土砂の堆積を防ぐために2つの防波堤が建設されていますが、港の運営を維持するためには定期的な浚渫が必要です。
スンガイ・ツラバン行きのフェリーは2005年に運航を停止しています。かつては6時から18時まで運航され、片道3ドルの乗船料でした。
航空
クアラブライトには空港がないため、空路を利用する場合はブルネイ国際空港（バンダルスリブガワン）またはミリ空港（マレーシア）へ行く必要があります。スリ・スリ・ブガワン病院（Suri Seri Begawan Hospital）にはヘリポートがあります。
教育
ブルネイの国立図書館であるデワン・バハサ・ダン・プスタカ図書館のクアラブライト分館が設置されています。また、以下のような学校がクアラブライトにあります。
クアラブライト小学校（Sekolah Rendah Kuala Belait） - 公立
アーマッド・タジュディン小学校（Sekolah Rendah Ahmad Tajuddin） - 公立、クアラブライト小学校の近くにあります。
プンギラン・スティア・ジャヤ・プンギラン・アブドゥル・モミン小学校（Sekolah Rendah Pengiran Setia Jaya Pengiran Abdul Momin） - パンダン村の公立小学校
セントジェームスミッションスクール（St. James' Mission School） - イングランド国教会系の私立学校
セントジョンズミッションスクール（St. John's Mission School） - カトリック系の私立学校
チュン・フア中等学校クアラブライト校 - 中国人系の私立学校
プルダナ・ワズィル中等学校（Sekolah Menengah Perdana Wazir） - 公立
ジェフリ・ボルキア工科大学（Jefri Bolkiah Technical College） - 公立大学
スルタン・オマール・アリ・サイフディーン宗教学校（Sekolah Agama Sultan Omar Ali Saifuddin）
インターナショナルスクール・クアラブライト校（International School Brunei, Kuala Belait） - ブラカス（Berakas）にあるインターナショナルスクール・ブルネイ（ISB）の分校です。
クアラブライト郊外の学校
PJN Pg. Hj.アブ・バカール中等学校（Sekolah Menengah PJN Pg. Hj. Abu Bakar） - 旧ムモン中等学校（Sekolah Menengah Mumong）。クアラブライトで最高の学校として知られています。
* サイディナ・アリ中等学校（Sekolah Menengah Sayyidina Ali） - 首都以外で最初に開校した6年制の中等学校。スンガイ・パンダン村にあります。
脚注
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