クロモジ属

クロモジ属 (Lindera)

クロモジ属は、クスノキ科に属する植物のグループで、学名を Lindera といいます。この属には、落葉性または常緑性の高木、あるいは低木が含まれており、その多様性が特徴です。

分布と生育地

クロモジ属の植物は、主にアジア地域に分布しており、温帯から亜熱帯にかけて約100種ほどが知られています。特に日本では、約10種が確認されていますが、クロモジやケクロモジのように、変異が大きく、種の同定が難しい場合もあります。これらの種は、多様な環境に適応しており、森林や山地などで見ることができます。

利用

クロモジ属の植物は、芳香性の成分を多く含むものが多く、古くから人々の生活に利用されてきました。特にクロモジからは、クロモジ油が抽出され、その香りはアロマテラピーなどにも用いられます。また、テンダイウヤクからは、漢方薬の原料となる天台烏薬（てんだいうやく）が採れるなど、薬用としての価値も高く評価されています。

主な種

クロモジ属には、様々な種が存在します。以下に主な種をいくつか紹介します。

テンダイウヤク (Lindera aggregata)
ナンバンクロモジ (Lindera akoensis)
ホソバヤマコウバシ (Lindera angustifolia)
アオモジ (Lindera citriodora)
タイワンコウバシ (Lindera communis)
オキナワコウバシ (Lindera communis var. okinawensis)
カナクギノキ (Lindera erythrocarpa)
ヤマコウバシ (Lindera glauca)
ヒメクロモジ (Lindera lancea)
オオバコウバシ (Lindera megaphylla)
ダンコウバイ (Lindera obtusiloba)
アブラチャン (Lindera praecox)
ケクロモジ (Lindera sericea)
シロモジ (Lindera triloba)
クロモジ (Lindera umbellata)

これらの種は、それぞれ異なる特徴を持ち、生育環境や利用方法も様々です。植物愛好家や研究者にとって、クロモジ属は非常に興味深い研究対象となっています。

参考文献

佐竹義輔ほか編『日本の野生植物 木本 1』平凡社、1989年。ISBN 4-582-53504-6。
茂木透写真「クロモジ属 Lindera」『樹に咲く花 離弁花1』高橋秀男・勝山輝男監修、山と溪谷社〈山溪ハンディ図鑑〉、2000年、414-437頁。ISBN 4-635-07003-4。

外部リンク

Lindera Thunb (英語) - Integrated Taxonomic Information System.
Lindera - National Center for Biotechnology Information（NCBI）
Lindera - Encyclopedia of Life
「BG Plants 和名−学名インデックス」（YList） - 米倉浩司; 梶田忠 (2003年)
クロモジ属 - 波田善夫. 植物雑学事典. 岡山理科大学.

これらの参考文献や外部リンクは、クロモジ属についてのより詳しい情報を得るためのものです。

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