コリアエクスプレスエア

コリアエクスプレスエア (Korea Express Air) の概要

コリアエクスプレスエアは、韓国のコミューター航空会社です。韓瑞大学校の産学協力法人として「漢端宇宙航空」という名前で設立され、国内初のコミューター航空会社を標榜して運航を開始しました。しかし、路線の廃止や再開を繰り返し、経営難に陥り、最終的に全便運航停止となりました。

設立と初期の運航

2005年に設立された当初は「漢端宇宙航空」という名称でしたが、2009年に現在のコリアエクスプレスエアに改名しました。設立当初は、大邱 - 対馬線などのチャーター便を運航し、その後、ソウル/金浦 - 襄陽、釜山 - 襄陽線などの国内路線を試験的に運航しました。2010年には、一時的に国内線の運航を停止しましたが、金浦国際空港と金海国際空港から日本の対馬空港への国際路線のみ定期運航していました。

国内線再開と国際線展開

2012年5月3日には、襄陽国際空港を発着する国内線3路線を再び運航開始しました。2017年5月23日には、国土交通省から外国人国際航空運送事業の経営許可を受け、同年5月27日より国際定期便に就航しました。これにより、襄陽 - 北九州、務安 - 北九州線などが定期便化されました。

経営悪化と運航停止

2019年10月には、株主であり共に民主党の国会議員からの指示により、その友人であるCOOが日本からの投資を断ったことが原因で、事実上倒産状態となりました。従業員の給料が3ヶ月遅配したり、負債が約150億ウォンに達したり、空港使用料やハンドリング費用の未払いも発覚しました。多くの従業員は、エアフィリップとエアポハン出身者が設立したハイエアに移籍しました。2019年12月28日には、全便の運航を停止しました。

経営権売却と再建の試み

2020年1月10日には、国内の投資家に経営権を売却しましたが、エアフィリップから移籍してきた機材がリース料滞納のために返却されたり、襄陽〜済州間の運航再開が資金不足で目処が立たないなど、厳しい状況が続きました。2020年3月31日には、AOC（航空運送事業許可）が失効する予定となりました。

就航路線 (2020年3月時点)

定期便

襄陽 - 釜山 (週7往復)
襄陽 - 済州 (週7往復)
襄陽 - 北九州 (週3往復)
務安 - 北九州 (週3往復)

チャーター便

務安 - 鳥取 (週3往復)
務安 - 南紀白浜 (週3往復)

定期チャーター便

金浦 - 松本 (週3往復)
金浦 - 出雲 (週3往復)

保有機材 (2020年3月時点)

エンブラエル ERJ 145 (50席) 2機

退役機材

ビーチクラフト 1900D (18席) 2機

歴史年表

2005年：設立。
2009年：コリアエクスプレスエアに改名。
7月27日 - 8月末：大邱 - 対馬線のチャーター便運航。
8月15日 - 9月13日：ソウル/金浦 - 襄陽、釜山 - 襄陽線試験運行。
9月5日：釜山 - 対馬線就航
9月10日：ソウル/金浦 - 襄陽、釜山 - 襄路線を正式就航。
10月5日：ソウル/金浦 - 対馬線正式就航。
2010年6月1日：ソウル/金浦 - 襄陽線廃止。
7月1日：ソウル/金浦 - 襄陽線運航再開。
8月1日：すべての国内線路線を廃止。
2011年10月11日 - 11月10日：泗川 - 済州間週3回就航。
2012年5月3日：襄陽 - ソウル/金浦、釜山、光州線就航
9月25日：襄陽 - ソウル/金浦線廃止。
2015年2月28日：襄陽 - 釜山、光州線無期限運休。
2016年2月4日：ERJ 145を導入し、襄陽 - 釜山線運行再開。
12月1日：襄陽 - 北九州線就航（定期チャーター便）
2017年10月13日：務安 - 鳥取、北九州線就航（定期チャーター便）
2018年1月5日：務安 - 南紀白浜空港線 (チャーター便)
5月27日：襄陽 - 北九州、務安 - 北九州線を定期便化
2019年4月：元エアフィリップ日本総代理店と日本地区総支社の契約を結び、エアフィリップ4号機目のERJ145LRをコリアエクスプレスエアに移籍させ、出雲空港就航を目指す。
6月6日：金浦 - 出雲線（定期チャーター便）
7月：金浦 - 松本線は、韓国側代理店が売り上げ金を入金せずに倒産した為に休止。金浦 - 出雲線は、乗務員不足により休止。
8月：従業員の給料が3か月遅配。また、負債が約150億ウォンあることが判明し、事実上倒産状態になった。また、北九州空港やチェジュ空港の使用料やハンドリング費用の未払いも判明し、チェジュ空港のハンドリング会社から契約を解除され、未払い請求を起こされる。従業員の大半はエアフィリップとエアポハン出身者が設立した新規コミューターエアラインのハイエアに移籍した。
10月：倒産状態。
12月28日：全便運航停止。
2020年1月10日：国内の投資家に経営権を売却する。
2月18日：エアフィリップから移籍してきた3号機(HL8358)をリース料滞納の為、リース会社に返却。
2月21日：襄陽～済州間 運航再開予定をしていたが、費用不足の為運航再開の目処がたたない状態になる。
3月31日：AOC失効予定。

外部リンク

コリアエクスプレスエア（朝鮮語）

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