サロンシネマ

サロンシネマ1・2：広島の映画文化を彩るミニシアター

サロンシネマ1・2は、広島県広島市中区八丁堀に位置する映画館で、映画興行会社の序破急によって運営されています。「夢売劇場 サロンシネマ」をキャッチコピーに掲げ、多様な映画作品を提供し続けています。

沿革

サロンシネマ1・2は、かつて鷹野橋（タカノ橋）に位置していましたが、2014年に現在の八丁堀に移転しました。ここでは、便宜的に移転前の映画館を「タカノ橋サロンシネマ」、移転後の映画館を「八丁堀サロンシネマ」と区別して記述します。

タカノ橋サロンシネマ時代

1959年 - タカノ橋OSが開館
1962年 - タカノ橋大映が開館
1960年代 - タカノ橋OSがタカノ橋日劇に改称
1972年3月1日 - タカノ橋大映がサロンシネマ1に改称
1994年4月29日 - タカノ橋日劇がサロンシネマ2に改称
2014年8月31日 - 鷹野橋での営業を終了

八丁堀サロンシネマ時代

2014年9月20日 - 八丁堀に移転して営業再開

タカノ橋サロンシネマ

タカノ橋サロンシネマは、鷹野橋商店街振興組合に加盟しており、2つのスクリーンを備えていました。サロンシネマ1は、日本一広い革張りシートが特徴で、シート前部にはカウンターテーブルが設置されていました。サロンシネマ2は、マツダと共同開発した自動車タイプのシートが使用され、天井にはフレスコ画が描かれていました。

所在地：広島県広島市中区大手町5-8-6
アクセス：広島電鉄宇品線鷹野橋電停から西に徒歩2分、広島バス鷹の橋バス停から徒歩2分
座席数：100席（サロンシネマ1）、99席（サロンシネマ2）
支配人：蔵本登（- 1980年）、住岡正明（1980年 - 2011年）、桑原由貴（2012年 - 2014年）

歴史

タカノ橋のサロンシネマ1とサロンシネマ2は、それぞれ異なる歴史を辿ってきました。1959年に日活映画の直営封切館であるタカノ橋OS（サロンシネマ2の前前身）が開館し、1962年には大映の直営封切館であるタカノ橋大映（サロンシネマ1の前身）が開館しました。最盛期には、タカノ橋OS、タカノ橋大映、東映の邦画封切館であるタカノ橋東映、洋画のスバル座、名画座のタカノ橋名劇の5館が軒を連ねていました。タカノ橋大映は1972年3月1日にサロンシネマ1となり、1980年には支配人の蔵本登が閉館を検討しましたが、住岡正明が支配人の座を引き継いで上映を続けました。タカノ橋OSは1960年代にタカノ橋日劇となった後、1994年4月29日にサロンシネマ2となりました。

2014年5月には、ビルの老朽化により8月末で閉館し、市内に移転することが発表されました。最終上映作品は、サロンシネマ1が『昭和残侠伝 死んで貰います』、サロンシネマ2が『有りがたうさん』でした。

八丁堀サロンシネマ

所在地：広島県広島市中区八丁堀16-10 広島東映プラザ8階
アクセス：広島電鉄本線立町電停すぐ
座席数：125席（シネマ1）、91席（シネマ2）

歴史

2014年6月末より、移転先の八丁堀・広島東映プラザで改装工事が開始されました。広島東映プラザ8階は、かつて広島東映・広島ルーブルが営業していましたが、2009年の閉館後は空きテナントとなっていました。

当初は移転に合わせて館名を変更する予定でしたが、以前の館名と同じサロンシネマとして再出発しました。座席数は、広島東映のあったスクリーンが125席、ルーブルのあったスクリーンが91席となり、以前の約半分に減少しました。

内装は、八丁座と同様に部谷京子が手掛け、1階にはイラストレーター・宮崎祐治による映画の名場面のイラストが飾られています。また、館内にはかつて広島駅前で営業していた喫茶店『純喫茶パール』が出店しています。

2014年9月19日には活動弁士・澤登翠を迎えての内覧会が行われ、翌20日にリニューアルオープンしました。初回上映作品は、サロンシネマ1が『太秦ライムライト』、サロンシネマ2が『バツイチは恋のはじまり』でした。

両スクリーンとも、最後部には掘りごたつ席が設けられています（シネマ1：10席、シネマ2：6席）。シネマ2の座席の一部は、閉鎖されたシネツイン新天地で使用されていたものが再利用されています。

サロンシネマ1・2は、鷹野橋から八丁堀へと場所を変えながらも、広島の映画文化を支え続けています。個性的な内装や座席、そして多様な作品の選定を通して、映画ファンに特別な体験を提供しています。

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