ザ・サミット

ザ・サミット（The Summit）は、かつてテキサス州ヒューストンに存在した多目的スポーツアリーナです。ダウンタウン・ヒューストンから南西に約5マイルの位置にありました。1975年から2003年まで、様々なスポーツチームが本拠地として利用し、数々の歴史的な瞬間を刻みました。

歴史

1971年、NBAのサンディエゴ・ロケッツがヒューストンに移転したことが、ザ・サミット建設のきっかけとなりました。当時、ヒューストン最大の屋内競技施設であったサム・ヒューストン・コロシアムは老朽化が進んでおり、ロケッツは新たな本拠地を必要としていました。建設期間中、ロケッツはホフハインツ・パビリオンやアストロドームを一時的な本拠地として使用しました。

1975年にザ・サミットが完成すると、ロケッツは1975-76シーズンから使用を開始しました。ザ・サミットはロケッツの本拠地として、1981年、1986年、1994年、1995年と4回のNBAファイナル進出、そして1994年、1995年の2回の優勝を見届けました。特に1994年、1995年の優勝決定戦は、ザ・サミットの歴史の中でも最も輝かしい瞬間として語り継がれています。

ロケッツ以外にも、WHAのヒューストン・エアロズ、アメリカン・ホッケー・リーグのヒューストン・エアロズ、アリーナフットボールリーグのヒューストン・サンダーベアーズ、WNBAのヒューストン・コメッツなどがザ・サミットを本拠地として利用しました。特にヒューストン・コメッツは、1997年から2000年までWNBAで4連覇を達成し、ザ・サミットを女子バスケットボールの聖地としました。

また、1976年にはテニスのザ・マスターズが開催されるなど、スポーツイベント以外にも様々なイベントが開催されました。

プロレスリングの会場としても数々の名勝負が繰り広げられました。1977年5月20日にはAWAチャンピオンのニック・ボックウィンクルとテリー・ファンクの試合、1979年1月9日にはダスティ・ローデスがNWAテキサス・ブラスナックル王座を獲得、1986年10月19日にはハルク・ホーガンがWWF王座を防衛、1989年1月15日にはロイヤルランブル第2回大会が開催されています。

スポーツ以外にも、リングリング・ブラザーズ・アンド・バーナム・アンド・ベイリー・サーカス、ハーレム・グローブトロッターズ、セサミストリートライブ、ディズニー・オン・アイスなど、家族向けのイベントも多数開催されました。

コンサート会場としても著名なアーティストが多数利用しました。1975年11月20日にはザ・フーが北米ツアーを行い、1988年4月8日から3日間連続でマイケル・ジャクソンがバッド・ワールド・ツアーを開催、1990年5月4日、5日には、マドンナがBlond Ambition Tourの公演を行っています。

ザ・サミットは、1998年から2003年まではコンパックが命名権を取得し、コンパック・センターと呼ばれていましたが、その後レイクウッド教会に買収され、現在はレイクウッド教会セントラルキャンパスとして利用されています。しかし、ザ・サミットがヒューストンのスポーツとエンターテイメントに与えた影響は大きく、その歴史は今も語り継がれています。

wrestlingdata.com （英語）

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