シネマジャングル

シネマジャングル

シネマジャングル（Cinema JUNGLE）は、岐阜県羽島郡岐南町にかつて存在した映画館、いわゆるシネマコンプレックスです。この映画館は、1996年（平成8年）12月14日に開館し、およそ10年後の2007年（平成19年）3月31日にその営業を終了しました。岐南町にとって、シネマジャングルは初めてにして最後の映画館でした。

歴史と特徴

1996年12月14日、シネマジャングルは岐阜県内で初めてのシネマコンプレックスとして誕生しました。建物は2階建て構造で、1階部分には複数のテナントが入り、2階が映画上映スペースとなっていました。その名前「ジャングル」が示す通り、内部の装飾にはユニークなテーマが採用されていました。まるで映画『ジュラシック・パーク』の世界を思わせるかのような、密林や恐竜を模した独特な内装が、訪れる人々に強い印象を与えました。館内には合計6つのスクリーンが設けられていました。

営業期間中の2000年（平成12年）頃には、駐車場の一部を活用したドライブインシアターも実施されるなど、新たな試みも行われていました。

閉館とその後の経緯

2000年代に入ると、岐阜地域には大型の商業施設に併設されたシネマコンプレックスが相次いで開業しました。具体的には、リバーサイドモール、カラフルタウン岐阜、モレラ岐阜といった大規模ショッピングセンター内に新たな映画館が登場したことが挙げられます。こうした競合施設の増加は、シネマジャングルの利用者数減少という形で影響を及ぼしました。

客足の減少に伴い、シネマジャングルは2007年3月31日をもって閉館することを決定しました。閉館後、建物の2階部分は閉鎖されましたが、1階に入居していた飲食店や音楽教室などのテナントは営業を継続していました。しかし、テナントも徐々に減少し、2020年（令和2年）3月までに全ての施設が退去しました。最終的に、建物自体も2020年7月には解体され、シネマジャングルの痕跡は完全に消滅しました。

施設データ

シネマジャングルは、岐阜県羽島郡岐南町上印食9-50-1に位置していました。公共交通機関を利用する場合、名鉄名古屋本線岐南駅から車で約5分、または名鉄各務原線細畑駅から車で約3分程度の距離にありました。近隣には岐南町役場や東海北陸自動車道の岐南インターチェンジなどがありました。

運営は有限会社フォーカスポーカスが行っており、同社は株式会社グローバルエンターテイメントのグループ会社でした。

スクリーンごとの座席数は以下の通りです。

スクリーン1：202席
スクリーン2：168席
スクリーン3：105席
スクリーン4：105席
スクリーン5：81席
スクリーン6：81席

合計席数は742席でした。

上映作品の傾向

上映される作品は、主に話題性の高い洋画や邦画の大作が中心でしたが、時にはミニシアター向けの作品もラインナップに加わることがありました。以下は、過去に上映された主な作品の例です。（公開日や上映期間は当時の情報に基づきます）

『アナスタシア』（1998年）
『ザ・ビーチ』（2000年）
『ハリー・ポッターと賢者の石』（2001年）
『ジョゼと虎と魚たち』（2004年）
『イノセンス』（2004年）
『エイリアンVSプレデター』（2004年）
『亀は意外と速く泳ぐ』（2005年）
『運命じゃない人』（2005年）
『立喰師列伝』（2006年）
『おさるのジョージ』（2006年）
* 『王と鳥』（2007年）

多様なジャンルの映画を提供することで、地域の映画ファンに親しまれた存在でした。

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