シャープ製のスマートフォン

シャープ製スマートフォンの歴史

シャープ製のスマートフォンは、日本国内市場において重要な役割を果たしてきました。2002年にNTTドコモから発売されたSH2101Vが、シャープのスマートフォンのルーツとなります。このモデルはザウルスOSを採用しており、現在のスマートフォンとは異なる形態の端末でした。その後、2005年にはウィルコムからWindows Mobileを搭載したW-ZERO3が販売され、同機種がスマートフォンとしての新たな地平を開きました。

W-ZERO3シリーズは、QWERTY配列のキーボードを搭載した初代WS003SHから始まり、2010年には一般的なダイヤルキーを採用したWS027SHが登場しました。さらに2008年にはMicrosoft Windows Vistaを搭載したWS016SHのような革新的な端末も市場に登場しました。これにより、シャープはスマートフォン市場においても多様な選択肢を提供するようになりました。

また、イー・モバイルから2007年にはEM・ONEが発売されましたが、こちらは音声通話機能を持たないため、PDAとして分類されました。日本の携帯電話市場がフィーチャーフォンからスマートフォンへとシフトする中、シャープはAndroidを採用したIS01を2010年にKDDIから発表しました。同年にはドコモからもSH-10Bが発売され、両モデルは日本国内で数少ないスマートブックとして知られました。これらは初めてワンセグや赤外線通信機能を搭載したスマートフォンでもありました。

さらに、2010年から11月には、スマートフォンとして初めておサイフケータイに対応した機種が発表され、ドコモとソフトバンクからリリースされたLYNX 3D SH-03Cや003SH、005SHは3D表示に対応していました。特に、ソフトバンクからの003SHと005SHには「GALAPAGOS」という電子書籍サービスの名が冠され、多くの消費者に新しい体験を提供しました。

2011年に入ると、ディズニー・モバイルがスマートフォンの販売計画を発表し、シャープのデバイスはさらに広範な市場に進出しました。この時期に発表されたAndroidスマートフォンのシリーズは「AQUOS PHONE」として知られ、2014年からはブランド名が「AQUOS」に統一されました。タブレットも同様にAQUOSシリーズに含まれるようになりました。

一方、日本国外ではマイクロソフトとの共同開発によって生まれたKINという端末が、ベライゾン・ワイヤレスから販売されましたが、他のキャリアでの展開は見送られました。これらの動きは、シャープが国内外でどのように進化していったかを示す重要な例です。

総じて、シャープ製のスマートフォンはその時代ごとにユーザーのニーズに応える形で進化してきました。フィーチャーフォンからスマートフォンへの移行、OSの選択肢の多様化、そして独自機能の追加など、シャープは常に新しい市場の流れを追い求めてきた存在です。今後もその進化は続いていくことでしょう。

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