ショ糖脂肪酸エステル

ショ糖脂肪酸エステル

ショ糖脂肪酸エステルは、親水性のショ糖と親油性の食用油脂に由来する脂肪酸が結合した、非イオン性の界面活性剤です。別名シュガーエステルとも呼ばれ、主に食品用の乳化剤として利用されています。

構造

ショ糖が持つ8つの水酸基に、ステアリン酸やオレイン酸などの脂肪酸がエステル結合した構造を持ちます。脂肪酸の種類やエステル化の度合いによって、蝋状やペースト状など、様々な形状を示します。HLB（親水性・親油性のバランス）値は1〜16程度の範囲に及び、用途に応じて適切なものが選択されます。

用途

ショ糖脂肪酸エステルは、乳化剤として比較的高いHLB値を示し、様々な食品に応用されています。

食品分野:
パンやケーキの品質劣化抑制
マーガリン、ショートニング、アイスクリームの乳化安定
チョコレートの結晶化抑制、粘度低下防止
ビスケット、乳飲料、プリン、インスタント食品などの加工食品

近年では、食品用途以外にも、野菜や食器用洗剤など、幅広い分野で使用されています。

ショ糖に酢酸やイソ酪酸を[エステル]]化したショ糖酢酸イソ酪酸エステル]は、乳化力は持たないものの、飲料用[[乳化剤の比重調整、飲料の曇り形成、香料や色素の安定化に利用されます。

また、ショ糖脂肪酸エステルには、バイオフィルムの形成を抑制する作用があり、静菌目的での使用も可能です。

参考文献

山田敏伸、河瀬伸行、荻本賢治、ショ糖長鎖脂肪酸エステルについて 油化学 Vol.29 (1980) No.8 P.543-553, doi:10.5650/jos1956.29.543
『食品添加物の実際知識』谷村顕雄著 1994年東洋経済新報社 ISBN 4492083499

関連項目

オレストラ

外部リンク

国立医薬品食品衛生研究所
マイクロ波化学株式会社

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