シーサイドライナー (列車)

シーサイドライナー：長崎・佐世保を結ぶ快速列車

シーサイドライナーは、九州旅客鉄道（JR九州）が佐世保駅・早岐駅・竹松駅 - 長崎駅間を、佐世保線・大村線・長崎本線経由で運行する快速列車・区間快速列車です。「SEA SIDE LINER」の英語名からSSLの通称でも親しまれています。

概要

1986年に佐世保～長崎間で運行を開始した快速列車がルーツで、1989年に「シーサイドライナー」の愛称が与えられました。長崎市と佐世保市という長崎県の二大都市を結び、観光客の輸送も担う重要な役割を果たしています。

運行概況

現在は、佐世保駅 - 長崎駅間に快速列車と区間快速列車が運行されています。かつては松浦鉄道西九州線への直通運転も行われていましたが、現在は廃止されています。喜々津駅 - 浦上駅間は新線を経由します。

列車番号は佐世保駅発が3221Dから、長崎駅発が3222Dから始まります。2018年3月17日のダイヤ改正で、昼間時間帯の列車が区間快速となり、佐世保 - 竹松間は各駅停車となりました。2022年9月23日のダイヤ改正では、諫早駅 - 長崎駅間の停車パターンが各駅停車に統一されています。

所要時間は停車駅によって異なり、おおむね1時間30分から2時間程度です。

停車駅（2025年3月15日時点）

※経由区間の全駅を掲載。（ ）の駅は全列車通過。「区快」＝区間快速

佐世保駅 - 早岐駅 - ハウステンボス駅 - (有田駅) - (彼杵駅) - 川棚駅 - 大村駅 - 諫早駅 - 喜々津駅 - 東園駅 - 大草駅 - 本川内駅 - (長与駅) - 浦上駅 - 長崎駅

使用車両

現在は、佐世保車両センター所属のYC1系が使用されています。通常は2両編成でワンマン運転を行いますが、時間帯やイベント開催時には、2編成併結による4両編成や、1両増結による3両編成で運転されることがあります。2021年10月1日からは3・4両ワンマン運転が開始され、全列車がワンマン運転となりました。

過去の使用車両

運行開始当初はキハ58系・キハ65形が使用され、後にキハ66系、キハ200系が運用に入りました。かつて使用されていた車両は、青色の専用塗色で、「SEA SIDE LINER」のロゴが記されていました。2021年3月までにキハ200形・220形、同年6月までにキハ66・67系の運用が終了しています。

特急「シーボルト」

1999年3月13日から2003年3月15日まで、シーサイドライナーの一部を格上げする形で特急「シーボルト」が運行されていました。佐世保駅 - 長崎駅間の所要時間は85分前後で、シーサイドライナーよりも停車駅を絞り、所要時間の短縮が図られました。

2000年 - 2001年の年末年始には、ハウステンボスのカウントダウンイベント向けの臨時特急「カウントダウンシーボルト」も運行されました。

停車駅

佐世保駅 - 早岐駅 - ハウステンボス駅 - 川棚駅 - 大村駅 - 諫早駅 - 浦上駅 - 長崎駅

使用車両

「オランダ村特急」「ゆふいんの森」に用いられていたキハ183系1000番台が使用されました。外装は「オランダ村特急」時代とほぼ同様のトリコロール塗装でした。

大村線優等列車沿革

大村線では、かつて急行「平戸」などが運行されていましたが、1988年3月に廃止されました。その後、1999年に特急「シーボルト」が登場しましたが、2003年に廃止され、現在は快速「シーサイドライナー」がその役割を担っています。

列車名の由来

九十九島（くじゅうくしま）: 西海国立公園に指定されている九十九島から。
シーサイドライナー: 主な経由路線の大村線が海岸線近くに敷設しているためのフィーリングから。
シーボルト: 江戸時代に来日したドイツの医師・博物学者、フィリップ・フランツ・フォン・シーボルト (Philipp Franz von Siebold) から。
出島（でじま）: 江戸時代のオランダ商館所在地であった長崎市にある地名である出島から。
* 平戸（ひらど）: 経由路線であった松浦線沿線の平戸市および同市域の大半を占める平戸島から。

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