ジェイ・ヤングブラッド

ジェイ・ヤングブラッド：インディアンギミックで人気を博した伝説のプロレスラー

ジェイ・ヤングブラッド（本名：スティーブン・ニコラス・ロメロ）は、1955年6月21日に生まれ、1985年9月2日に30歳という若さでこの世を去ったアメリカ合衆国のプロレスラーです。カリフォルニア州フォンタナ出身の彼は、インディアンギミックのベビーフェイスとして、その短い生涯をリングに捧げました。

デビューから人気タッグ結成まで

ヤングブラッドは、父であるリッキー・ロメロが主戦場としていたテキサス州アマリロ地区で、シルバー・ストリークのリングネームでデビューしました。1976年には、父とのコンビでNWAウエスタン・ステーツ・タッグ王座を獲得し、その才能の片鱗を見せつけました。その後、ジェイ・ヤングブラッドに改名し、オレゴン州やワシントン州を拠点とするPNW（パシフィック・ノースウエスト・レスリング）で活動しました。1977年には全日本プロレスに初来日し、インディアン・レスラーの大御所ワフー・マクダニエルのパートナーを務めました。

スティムボートとのタッグでスターダムへ

1979年、ヤングブラッドはNWAミッドアトランティック地区に進出し、リッキー・スティムボートとタッグを結成します。このタッグは、アイドル的な人気を博し、数々の名勝負を繰り広げました。1979年10月24日には、ポール・ジョーンズ&バロン・フォン・ラシクを破り、ミッドアトランティック版のNWA世界タッグ王座を獲得。その後も、レイ・スティーブンス&グレッグ・バレンタイン、スティーブンス&ジミー・スヌーカなどの強豪チームと激しい抗争を繰り広げ、同地区を代表する人気コンビとなりました。1980年4月21日にはWWF（現WWE）にもゲスト出場し、ニューヨークのマディソン・スクエア・ガーデンで勝利を収めました。

さらなる活躍と早すぎる死

1981年、ヤングブラッドは古巣のPNWをサーキットし、NWAパシフィック・ノースウエスト・ヘビー級王座を巡りバディ・ローズと抗争しました。1982年5月にはスティムボートと共に全日本プロレスに再来日し、大仁田厚のNWAインターナショナル・ジュニアヘビー級王座に挑戦。同年11月には、世界最強タッグ決定リーグ戦にもスティムボートとのコンビで出場し、開幕戦でのスタン・ハンセン&ブルーザー・ブロディのミラクルパワーコンビとの対決は、今もなお語り継がれる名勝負となりました。

その後も、NWAミッドアトランティック地区を主戦場にスティムボートと活躍し、1983年にはサージェント・スローター率いるコブラ・コープスやブリスコ・ブラザーズとNWA世界タッグ王座を争いました。1984年からは、弟であるマーク・ヤングブラッドとのインディアン兄弟コンビでフロリダのCWF（チャンピオンシップ・レスリング・フロム・フロリダ）に参戦し、1985年1月1日にNWA USタッグ王座を獲得。ココ・ウェアとノーベル・オースチンのプリティ・ヤング・シングス（PYTエクスプレス）との抗争も繰り広げました。

しかし、1985年9月2日、遠征先だったオーストラリアのメルボルンで心臓発作を起こし、30歳という若さで急逝。早すぎる死は、多くのファンに衝撃を与えました。

得意技と獲得タイトル

ヤングブラッドの得意技は、トマホーク・チョップ、フライング・アックス・ハンドル、ドロップキック、ダイビング・クロス・ボディなど。数々のタイトルを獲得し、その実力を証明しました。

獲得タイトル
NWAウエスタン・ステーツ・タッグ王座：1回（w / リッキー・ロメロ）
NWA世界タッグ王座（ミッドアトランティック版）：5回（w / リッキー・スティムボート）
NWAミッドアトランティック・タッグ王座：3回（w / ジョニー・ウィーバー、ポークチョップ・キャッシュ、リッキー・スティムボート）
NWAパシフィック・ノースウエスト・ヘビー級王座：4回
NWAパシフィック・ノースウエスト・タッグ王座：1回（w / ジョー・ライトフット）
NWAパシフィック・コースト・ヘビー級王座（バンクーバー版）：1回
NWAカナディアン・タッグ王座（バンクーバー版）：1回（w / ジョー・ベンチュラ）
NWAカナディアンTV王座（トロント版）：1回
* NWA USタッグ王座（フロリダ版）：2回（w / マーク・ヤングブラッド）

ジェイ・ヤングブラッドは、その短い生涯の中で、プロレス界に大きな足跡を残しました。彼のファイトスタイル、個性的なキャラクター、そしてリッキー・スティムボートとの名タッグは、多くのファンの記憶に深く刻まれています。

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