ジオ・プリズム

プリズムについて

プリズム（Prizm）は、かつてゼネラルモーターズ（GM）とトヨタ自動車が共同で設立した合弁企業NUMMI（ヌーミ）により製造された乗用車です。本車は、主にGMのエントリーブランド「ジオ」のモデルとして展開され、1990年から2002年にかけて市場に提供されました。プリズムは、いすゞ・ジェミニを元にしたスペクトラムの後継車両として位置付けられ、トヨタ・スプリンターを基にしたクオリティの高い仕様が特徴です。

概要

プリズムは、NUMMIにおける最初の生産モデルであり、その設計はトヨタのスプリンターに基づいています。トヨタの品質を受け継ぎつつも、マーケットではGM内製の車両として位置付けられ、一般的にはカローラとは異なる特徴を持つとされていました。そのため、プリズムはカローラよりもお手頃な価格で販売され、多くの消費者に受け入れられました。

このモデルは、1998年にジオブランドが終了するまで唯一のセダンモデルであり、その後はシボレーブランドに引き継がれました。安価で頑丈な車体は高く評価されており、プリズムは総じて約100万台の販売を誇りました。しかし、同じく小型車であるキャバリエの陰に隠れがちで、存在感に欠けることもありました。

歴史

初代 E9#型 (1989年-1992年)

初代プリズムは1990年に登場しました。このモデルは、ファミリー層をターゲットにしたスペクトラムのコンセプトを継承しつつ、トヨタ・スプリンター及び欧州向けカローラセダンを基盤にしていました。セダンとハッチバックの2タイプが揃い、エンジンには1.6リットル直列4気筒の「4A-GE」を搭載したホットモデルや、ベースグレードの「4A-FE」が選べました。特にセダンモデルは独自のデザインが施され、1992年に生産終了となりました。

2代目 E10#型 (1992年-1997年)

1992年、プリズムは2代目モデルに更新され、AE100系のスプリンター及びカローラを基にしたデザインが採用されました。この世代では、エンジンの選択肢が見直され、1.6Lの4A-FE型と1.8Lの7A-FE型のみとなりました。ハッチバックはラインナップから削除され、ファミリー向けの落ち着いたクルマとして人気を博し、販売台数を増加させました。1997年にはジオブランドの終了に伴い、生産を終了しました。

シボレー・プリズム E11#型 (1997年-2002年)

その後、ジオブランドが消滅したため、プリズムはシボレーに受け継がれました。1998年モデルからはカローラ（AE110系）が基盤となり、ラインアップは整理されて1.8Lエンジンに一本化されました。残念ながら市場では、より安価で広い室内空間を持つキャバリエに需要が偏り、プリズムはあまり目立たない存在となりました。生産は2002年に終了し、その後継モデルはシボレー・コバルトとなりました。

総括

プリズムは、エントリーモデルとして手ごろな価格と高い品質を両立させることに成功した事例であり、NUMMIの初期モデルとしての位置づけは今でも評価されています。シボレー・コバルトへの統合後も、その存在は多くの自動車ファンに記憶されています。

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