ジミー・コープリー

ジミー・コープリー：伝説のロック・ドラマー

ジミー・コープリー（Jimmy Copley、1953年12月29日 - 2017年5月13日）は、イギリスが生んだ傑出したロック・ドラマーです。彼は主にセッション・ミュージシャンとしてその才能を発揮し、数多くの著名なアーティストとの共演を通じて、その名を音楽史に刻みました。

幅広い音楽性

コープリーのドラムは、ジェフ・ベック、グレアム・パーカー、UPP、ポール・ヤング、マグナムといった、ジャンルを超えたアーティストたちの楽曲を彩りました。ディープ・パープルのロジャー・グローヴァー、イアン・ギラン、グレン・ヒューズ、さらにゴー・ウエスト、キリング・ジョーク、ティアーズ・フォー・フィアーズ、シール、トニー・アイオミ、ポール・ロジャースなど、錚々たるミュージシャンたちが彼の才能を高く評価し、共演を重ねました。2007年からは、マンフレッド・マンズ・アース・バンドのドラマーとしても活躍しました。

日本との深い繋がり

コープリーは日本にも深く関わっていました。アン・ルイスのサポート・バンドでドラムを担当したほか、矢沢永吉、今井美樹など、日本のトップアーティストのアルバムにも参加しています。

特に、Charとの交流は特筆すべきでしょう。1988年に彼らによって結成されたバンド、PSYCHEDELIXでの活動を皮切りに、コープリーはCharのソロ活動においても、欠かせない存在となっていきました。その卓越した演奏技術と音楽への深い理解は、日本の音楽シーンにも大きな影響を与えました。

オープンハンド奏法の達人

コープリーは、オープンハンド・ドラム奏法の達人としても知られていました。この奏法は、ハイハットとスネアを同時に叩く際に手を交差させる必要がなく、クロスハンドを基本とする従来のドラム奏法とは一線を画します。彼の演奏は、その自由なスタイルと正確さで、多くのドラマーに影響を与えました。

愛用の楽器

コープリーは、長年にわたりタマ・ドラムを愛用していました。スーパースター、グランスター、アートスターII、スタークラシックといったシリーズを長年使用し、そのサウンドを追求しました。また、ジルジャン・シンバル、ヴィクファースのドラム・スティックも彼の演奏を支える重要な要素でした。

白血病との闘い、そして音楽への情熱

2015年、コープリーは白血病と診断され、骨髄移植を受けましたが、病は再発してしまいます。化学療法の中止を選択した彼は、人生の最期の日々を音楽に捧げました。病室を臨時のレコーディング・スタジオに変え、友人たちと共に、ブリストルの血液学および腫瘍学センター、ロイヤルユナイテッド病院への寄付を目的としたEPを制作しました。その音楽への情熱は、最後まで衰えることはありませんでした。

ジミー・コープリーは、その卓越したドラムテクニックと音楽への深い愛情で、多くの人々に感動を与え続けました。彼の音楽は、これからも時代を超えて、多くの人々の心に響き続けるでしょう。

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