ジャマイカ・ドル

ジャマイカ・ドル（JMD）

ジャマイカ・ドル（記号: J$; コード: JMD）は、1969年からジャマイカで使用されている公式通貨です。国際的には「ドル」として知られていますが、他のドル通貨と区別するためにJ$またはJA$と表記されることがあります。1ドルは100セントに分割されます。

歴史

1968年1月30日、ジャマイカ議会は、旧宗主国イギリスの複雑な20進法と12進法の通貨制度（ジャマイカポンド：1ポンド＝20シリング＝240ペンス）を廃止し、10進法のジャマイカ・ドルとその補助単位であるセント（1ドル＝100セント）を導入することを決定しました。新旧通貨の交換比率は1ドル＝10シリング（120ペンス）でした。1969年9月8日に新しい通貨が流通を開始しました。

当初、ジャマイカ・ドルは対米ドルで2割増しの価値がありましたが（最高値は1970年代前半の1米ドル＝0.77ジャマイカ・ドル）、その後、数々の切り下げによって大幅に価値を下げました。2008年前半には、1米ドル＝75ジャマイカ・ドルと、導入時の100分の1まで下落しました。

硬貨

導入時には、1セント（1.2ペンス相当）、5セント（6ペンス相当）、10セント（1シリング相当）、20セント（2シリング相当）、25セント（2シリング6ペンス相当）の硬貨が発行されました。1セント硬貨は銅製で小さかったですが、他の硬貨は材料、サイズ、形状が旧通貨のものとほぼ同じでした。

その後、硬貨には以下の変更が加えられました。

1975年：1セント硬貨は12角形のアルミニウム製に変更。
1976年：50セント硬貨が紙幣に置き換えられる。
1989年：50セント硬貨と20セント硬貨の製造が中止。
1990年：1ドル硬貨が洋白製に変更。
1991年：5、10、25セント硬貨がニッケルめっきスチール製から白[[銅]]製に変更され、小型化。25セント硬貨は7角形に変更。
1994年：5ドル硬貨の代わりに、ニッケルめっきスチール製の小型7角形1ドル硬貨が導入。5セント硬貨は廃止。
1995年：10セント、25セント硬貨が小型円形に変更。
1997年：旧硬貨は全て廃止。
1999年：スカラップカットのニッケルめっきスチール製10ドル硬貨が発行。
2000年：中心が白[[銅]]、周辺が洋白の2種類の合金を使用した円形の20ドル硬貨が発行。

現在の硬貨は以下の通りです。

1セント：アルミニウム製、12角形、アキーの実のデザイン
10セント：銅めっきスチール製、円形、ポール・ボーグルの肖像
25セント：銅めっきスチール製、円形、マーカス・ガーベイの肖像
1ドル：ニッケルめっきスチール製、7角形、アレクサンダー・バスタマンテの肖像
5ドル：ニッケルめっきスチール製、円形、ノーマン・マンレーの肖像
10ドル：ニッケルめっきスチール製、スカラップカット、ジョージ・ウィリアム・ゴードンの肖像
20ドル：バイメタル（中央：白[[銅]]、周辺：洋白）、円形、マーカス・ガーベイの肖像

紙幣

1969年の導入から2022年まで、紙幣は同じシリーズで発行されてきました。その間、小額紙幣の廃止や高額紙幣の導入がありましたが、デザインの大きな変更はありませんでした。2022年時点では、50、100、500、1000、5000ドル紙幣が流通していました。

2022年から新しいシリーズの紙幣が導入されました。50、100、500、1000、5000ドル紙幣が刷新され、新たに2000ドル紙幣が加わりました。全ての紙幣はポリマー製で、旧20ドル紙幣に描かれていたノエル・ニュートン・ネザーソールを除く、以前の紙幣に描かれていた人物の肖像が使用されています。また、2000ドル紙幣にはエドワード・シアガの肖像が新たに使用されています。

ジャマイカ以外での利用

かつてジャマイカがイギリスの植民地だった時代には、ケイマン諸島も同じくイギリスの統治下にあり、ジャマイカ・ドルを使用していました。しかし、1962年にジャマイカが独立した後もジャマイカ・ドルを使い続けましたが、1972年に独自の通貨であるケイマン諸島ドルを発行したため、ジャマイカ・ドルはケイマン諸島での法定通貨としての地位を失いました。現在、ジャマイカ・ドルを使用しているのはジャマイカのみです。

為替レート

ジャマイカ・ドルの為替レートは、国際市場での需要と供給によって変動します。リアルタイムの為替レートは、主要な金融情報サイトや為替レート計算ツールで確認できます。

脚注

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関連項目

ドル

外部リンク

Bank of Jamaica History
Bank of Jamaica Banknotes
* Bank of Jamaica Coins

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